2008年4月30日水曜日

アメリカン・ドライブを楽しむ旅の勧め

日本ではもう10年以上車を運転していない。自宅にも車はない。しかし、まったく車を運転しないわけではない。年に1-2回アメリカへ行くときは空港を降りればたいていレンタカーを借りて、帰る時に返す。アメリカは公共交通機関が発達していないので、車がないと身動きが取れないのだ。

実はそれ以外にもドライブを楽しむというのも理由の一つだ。アメリカの都市は必ずフリーウェイで結ばれていて、それを車でぶっとばすのは絶好のストレス解消になるのだ。とにかく何もない原野をまっすぐな道が延々と続く風景はまさしくアメリカだ。道は広いし、少し郊外へ出ると交通量も日本よりはるかに少ない。エコノミーカーでもオートクルーザーがほぼ標準装備なので運転もずっと楽だ。むろん通行料など要らない。ガソリンは以前よりはだいぶ高くなったとは言え、それでも日本よりかなり安い。レンタカーも一週間かりて小型車なら120-150ドルと格安だ。

一週間くらい休みを取って、ひたすらロングドライブを楽しむのも面白いだろう。オープンジョーという到着地と出発地が違う航空券を買うのだ。一週間なら1,000マイル(約1,600Km)は十分走れる。アメリカをほぼ南北に縦断できるくらいの距離だ。モーテルで泊まるなら特に予約などは不要だ。夕方になれば通りかかった町で、ぶらっと適当な所へ入って「I need a room」とでも言えばよい。40-50ドルも出せばこぎれいな部屋で泊まれる。ガソリンもほぼ100%セルフなので、支払いは給油装置にクレジットカードをスキャンさせるだけだ。

昼食はドライブインでファーストフード、夕食はダウンタウンのステーキハウスか、イタリアンレストランででもすませる。海岸沿いなら結構日本人の口に合うシーフードレストランもある。もちろん出発地と飛行機の時間は決まっているのだから、事前に大まかなスケジュールは立てなければいけない。州境を超えればガソリンスタンドでその州の道路地図を買ったほうが良いだろう。それ以外は気ままな旅を楽しむのだ。


YouTubeで見つけたロングドライブを記録した動画。出てくる道は全部通ったことがあるので懐かしい。




2008年4月27日日曜日

祖国、そして故郷を思うそれぞれの心

知人の中国人が帰国することになった。彼は高校生のときに姉を頼って来日し、以来16年間も日本で住んでいる。もちろん大学も日本だし、就職も最初から日本の会社だ。一貫してITエンジニアとして勤め上げ、上司や同僚の信頼も厚い。しかも中国語以外にも日本語も英語もできるトライリンガルだ。帰国しても経済的にはかなり恵まれた生活が送れるだろう。

しかし、一方中国には自由がないことも確かだ。参政権もないし、報道の自由もない。基本的人権も保証されていない。彼にとってこのまま日本ですみ続けることも選択肢だったに違いない。帰国する理由は家族のためと言っていたが、僕も詳しくは聞かなかった。海外在住者にとって祖国への思いは特別で複雑なものだ。簡単には聞けないし、聞かれても答えられるものでもない。

僕もアメリカで住んでいたのでよく分かる。アメリカは色々な問題があることは確かだが、基本的には住みやすい国だ。特にカリフォルニアは気候も温暖で食事も美味しい。留学やビジネスで訪れてそのまま住み続けてしまう人も少なくない。にも係わらず20年も住んだアメリカを捨てて日本に帰国した知人が何人かいる。外国に住んだことがなければ故郷に置き換えればやや近いだろう。

えっ、僕はどうだったのかって?イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」の最後の一節で察して欲しい。

Last thing I remember, I was running for the door. I had to find the passage back to the place I was before. 'Relax,' said the night man, 'We are programmed to receive. You can check-out any time you like, But you can never leave!'

原野を果てしなく貫くフリーウェイ。僕にとってのカリフォルニアの原風景だ。

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