2007年10月27日土曜日

アメリカ人と仕事をする苦労

僕が担当しているシステムはSBC(Server Based Computing)と言われているもので、数十台のWindowsサーバーがロードバランシングされており、アジア・太平洋の各国の約1万人が利用している。おそらくこの手のシステムとしては日本でも最大級だろう。ただ、構築後4年あまりが経過し、システム自体が大分古くなってきたので、全面的な再構築のプロジェクトが動き出している。

本社がアメリカなのでプロジェクトもアメリカ主導で行われる。具体的な指示があったのは7月。しかも9月に作業を開始するという。大慌てで必要なシステムテストや手順の確認をした。ところが9月になっても10月になってもゴーサインがでない。何度問い合わせても「もう少し待ってくれ」という返事ばかり。結局11月の下旬になりそうだという返事が来たのがつい先日だ。

「またか・・」というのが正直な感想だ。アメリカ人は、こちらが出先だからということもあるが、いつも直前になって指示を出してくる。「連絡が遅れたが大急ぎでやってくれ」と言われればこちらも仕事だから休みを返上してでもやる。ところがそう言ってきた彼らの方が全然急がない。というか、いつも遅れる。今回のことにしても開始が9月ということは8月は多くの人が夏休みを取るので、7月には準備をほとんど終えていないといけない。そんな様子もないので9月開始はかなり怪しいと疑っていたが、案の定だ。僕の経験では11月下旬もまず無理だろう。アメリカでは11月下旬にある感謝祭からクリスマスにかけて長期休暇を取る人が多く、ほとんど仕事にならないのだ。おそらく本格的な開始は来年の1月の中旬、日本の年始休暇の後になるに違いない。

かれこれ10年以上アメリカ人といっしょに仕事をしているがいつもそうだ。彼らと仕事をするときはスケジュールが大幅に遅れることを前提にこちらのスケジュールを組まないといけない。

2007年10月19日金曜日

僕の通販生活

アマゾンにアマゾン・プライムという会員制度がある。年会費3,900円を払えば1,500円以下の物を買ったときにかかる送料が不要になるし、通常は350円必要なお急ぎ便も無料になる。例えば朝一番で700円の雑誌を注文すれば、その日の夜には送料無料で配達される(関東地区の場合)。もともとアマゾンはよく利用していたが、1,500円以下のものを注文する場合は、あまり欲しくなかったり、急がないものを合わせて注文したりしていた。アマゾン・プライムの会員になってからはそんなことを意識せずに気楽に注文できるようになった。他の通販サイトと値段に多少の差があってもこの気楽さでついついアマゾンで買ってしまう。ほぼ毎週のように何かを注文している。家族で一人会員になっていれば他の同居家族にも適用されるので、家内も時々注文しているようだ。

流行の海外ドラマもアメリカのアマゾンでボックスで買って海外発送してもらえば日本でレンタルするよりも安く早く見られる。(ただし、アメリカと日本はDVDのリージョンコードが違うのでリージョンフリーのプレイヤーで見るか、リージョンコードを変換する必要がある。また、当然だが日本語の字幕や音声はない)著作権の関係で日本で手に入らない物も少なくないが、アメリカへ行ったときに通販で注文してホテルに送ってもらう。

もちろんウインドショッピングは楽しいので時々は出かける。でも、欲しいものを見つけても、その場では買わずに同じものを通販で注文することが多い。車を持っていないので、少し重いものや大きい物は特にそうだ。こんな時に携帯電話のデータ定額契約をしていればその場で探してその場で注文できるので便利だろうなと思う。

通販を多用するのと現金を使わない習慣はアメリカで身に付いたものだが、最近日本でも当時のアメリカとあまり変わらない環境になってきたので家族も喜んでいる。

2007年10月9日火曜日

多読から多聴へ−「多聴三原則」とハリウッド映画への道

季刊のムックで「多聴多読マガジン」というのがあって発売されるとよく立ち読みしている。ここで「多聴三原則」というのが紹介されていたが、なかなか興味深い。次の通りだ。

1.ひとつひとつの音や語を聴こうとしない。
2.聞こえないところは無視する。
3.楽しくなかったら途中でどんどんやめる。

英語のリスニングとなると構えてしまって一語も聞き漏らさないように集中して聞こうとする人がいるが、これをやると逆に何を言っているかわからなくなる。あるいは個々の音は聞き取れるけど何を言っているかさっぱりわからないということになる。

英語の本を読むときもまったく同じで、一語一語を全て理解しようとすると、意味のわからない単語が邪魔をして文章全体の意味が取れなくなる。逆に知っている単語だけを拾っていくようにすると全体の意味がわかるようになる。

リスニングでも「聞き取れないところは無視する」と聞き取れる音だけがつながって全体の意味がわかるようになる。日本人が日本語を聞くときでも100%聞き取れているわけではなく、聞き取れる部分をつなぎあわせて、聞き取れない部分を補完している。その作業を無意識にやっているので全部聞き取れているように感じているだけなのだ。

このようにリーディングはリスニングと共通点が多く、読むことは聴くことの効果的なトレーニングになる。ハリウッド映画を字幕なしでわかるようになりたければ、まず大人向けのペーパーバックが読めるようになることというのは説得力がある。中学程度の英語力があって(日本語の)本が好きな人が「多読三原則」さえ守れば1年くらいで読めるようになるそうだ。まったく同感。

そして、一番大切なのは最後の「楽しくなければ途中でどんどんやめる」だ。英語の勉強が続かない最大の理由は根性主義にある。日本語だって面白くない小説は途中で投げ出すし、ドラマはチャンネルを変える。映画なら寝てしまうだろう。英語だって同じだ。気にすることはない。

「多聴・多読マガジン」の主催者のウェブサイト http://www.tadoku.org