2007年11月30日金曜日

100ドルラップトップを触ってきました

100ドルラップトップパソコンというのを聞いたことがある人は多いだろう。わずか100ドルのラップトップパソコン(ノートパソコン)を数百万台から最終的には2億台の規模で世界中の発展途上国の子供たちに無料で配布しようという壮大な計画だ。目的は子供たちの教育と貧困の解決だ。マサチューセッツ工科大学のメディア研究所の所長であったニコラス・ネグロポンテ氏が創立したアメリカの非営利団体「The One Laptop per Child association (OLPC)」が開発している。

それを実際に触る機会があった。写真のように外観は一見安っぽい。キーボードはゴムのカバーで覆われているが、コストだけでなく防水・防塵の目的があるようだ。同じくタフな状況での仕様を想定してマスストレージは1GBのフラッシュメモリだけでハードディスクなどは付いてない。ディスプレイがモノクロとカラーを切り替えられるのはバッテリーの使用時間を考えてのことだろう。無線LANは標準装備、基本ソフトはLinux。アプリケーションはブラウザや電子メール、チャット、ワープロ、お絵かき、マルチメディア関係など教育目的に限定された基本的なものだが、辞書や教科書を組み込む計画もあるそうだ。

あまり長い時間は触れなかったのだが、アプリケーションは良く吟味されている印象を受けた。ハードウェアは高機能のマシンを使い慣れた身では正直使いづらいところはある。しかし、空調の効いたオフィスなどではなく、埃だらけだったり、時折スコールもあるよかもしれないような劣悪な環境での使用が前提で、しかも低価格ということなら最新の技術だと思う。

すでに第一次の配布も始まっている。現在のところ目標の100ドルを少し上回る130ドル程度だそうだ。それを各国の政府が買い取って子供たちに無料で配布する。すばらしい計画なのでもしできることがあるなら協力したいものだ。

Linuxforkids


2007年11月20日火曜日

アメリカ人の通勤方法「K+R」

アメリカは日本に比べて鉄道網が発達している都市は少ない。僕が訪れたことのある都市でよく発達しているのはニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、アトランタくらいだろうか。こういった都市では近郊の住宅地に大きな駐車場を備えた駅がよくある。いわゆる「パーク・アンド・ライド」で、自宅から最寄の駅まで車で来て、そこから電車に乗り換えるのでそう呼ばれる。

一方、奥さんが自宅の近くの会社で働いていて、夫は都心へ通っているという夫婦も多い。そんな場合、奥さんが毎日夫を駅まで車で送って行く。そして駅の前で「行ってくるよ」と言って奥さんにキスをしてから電車に乗る。そのためこんな通勤方法を「パーク・アンド・ライド」にかけて「キス・アンド・ライド」という。もちろんキスは必須ではない。都心の交通渋滞の緩和になるし、駐車場を作る必要もないのでは行政にとって非常にありがたい。

以前アトランタへ行ったとき、自由時間があったのでダウンタウンから少し離れたところにあるキング牧師の記念館を訪れた。周辺は比較的所得の低い人が多く住む住宅地なのだが、近くにキングス・メモリアルという駅がある。その駅の看板が面白かったので写真を撮った。見ての通り本来はスラングの「キス・アンド・ライド=キス・ライド」が堂々と書いてあるのだ。この言葉を正式に採用?にしているのはアトランタ市交通局だけだとか。「K+R」と書いてある駅もあるそうだ。面白いと言うか粋だと思う。言葉だけでなく、駅の前には「キス・アンド・ライド」専用の乗降口があって多くの車が同時に一旦停止できるようになっている。もちろん「パーク・アンド・ライド」用の大きな駐車場もある。



2007年11月5日月曜日

これは便利!Puppy linux(パピーリナックス)を使う

数多いLinuxディストりビューションの中で、最近注目されているのがPuppy Linuxだ。Puppyとは変な名前(英語で子犬の意味)だが、2003年にオーストラリア人が公開したディストリビューションだ。特徴はとにかく小さくて軽いことだ。その大きさはわずか90MB。日本語化されたエディションでも115MB程度だ。

僕はこれを256MBのUSBメモリ(大分前に1,800円で買った安物)に入れて、携帯のストラップにして持ち歩いている。最近のパソコンはたいていUSBメモリからブートできるので、これを差し込んでパワーオンすると使い慣れたWindows XPパソコンがあっという間にLinuxパソコンになってしまう。インストールも超簡単で、ISOファイルをダウンロードしてCDに焼けばそれだけでLiveCDが出来上がる。後はUSBメモリを差込み、ウィザードを起動すれば数分で終わりだ。

都内のオフィスから神奈川県にあるデータセンターによく出かけるが、ノートパソコンを持って行くのは面倒なので、センター内に常備してある共用パソコンを使う。でも、共用なのでいろいろ不具合がおこるし、保存できないデータもある。そんなときこのUSBメモリでLinuxブートすれば自分だけの環境でサクサクと快適に使える。256MBでは大きなアプリケーションは入らないが、Notesやオフィスはセンター内のWindowsサーバーにインストールしてあるのでリモートアクセスしてそれを使う。つまり、パソコンはシンクライアントとして使う訳だ。

もちろんリモートアクセスクライアント以外にも最低限必要なアプリケーションやツール類は最初から入っていて結構使える。普段はWindowsを使っているが、Linuxでも遊びたい。でもそのためのパソコンは用意できない・・・。そんな人にも超お勧めだ。お試しあれ。

Puppylinux