2007年12月31日月曜日

来年の目標−英語で手帳の勧め

語学にしろ何にしろマスターできないのは大きく分けて二つの理由がある。一つ目は「方法がわからない」二つ目は「方法は分かるが続けられない」だ。もちろん90%の人は後者だ。そして続かない理由も二つある。「続けなくても困らない」と「続けてもおもしろくない」だ。

という訳でお勧めは僕も実践している「手帳は英語で書く」だ。仕事をする以上は手帳を使わないわけにいかない。つまり「続けないと困る」状態にするのだ。

手帳で使う英語は非常に簡単だ。たいていは名詞と簡単な動詞だけで用が足りる。人に見せるものではないので恥ずかしくもない。それに同じ単語を何回も繰返して使う。1月の最初の1週間は少し大変かもしれないが、2週目になると第1週で使った単語が結構使える。2月になればずっと楽になる。

まず、来年の手帳を買ってきて、この手帳をすべて英語で書くと決意するのだ。そして一年分の祝日を全て英語で書き加えよう。手帳は普段から使い慣れているもので良い。特にないなら最初から日本語が一切ない外国製の手帳を使うのも面白いかもしれない。

ゴールデンウイークの頃には見違えるようにスラスラ書けるようになっているだろう。そうすればしめたもので、手帳を英語で書くことを「続けるとおもしろい」ようになってくる。徐々に難しい単語を使いたくなってくる。単語の羅列だけでなく簡単な文章にしたくなってくる。スケジュールだけでなくメモも英語で書き始める。数行程度の日記のようなものを書き加えたりする日もでてくる。そして自分で考え、書いて覚えた単語は非常に定着率が高い。

毎日少しずつでも確実に英語に触れるという習慣が一番大切なのだ。来年の今頃には英語がずっと身近になっているはずだ。

僕が以前使っていた手帳。紙の手帳以外にGoogle Calendarも愛用している。両方とも英語しか使わないが、どうしてもわからない単語は緊急避難的にローマ字で書くこともある。

2007年12月23日日曜日

Googleの法人向けサービス Google Appsを使う

Google AppsはGoogleの法人向けのSaaS(Software as a Service:サービス型ソフトウェア)で、自分のドメインネームを使ってGoogleの各種サービスを利用できるサービスだ。

2年ほど前にベータテスト用のユーザーを募集していたが、アナウンスは英語のみだったし、原則としてアメリカの会社やNPOなどの法人が対象だった。しかし、Googleが初めて法人向けのサービス分野に進出するということで大いに興味があり、アメリカの友達の住所を借りて応募したら、幸いにもすんなりと採用された。既にベータテストは終了したが、その時のユーザーは引き続き無料でこのサービスを利用できる。

Google Appsを利用するためにはDNSの設定を変更する必要があった。つまり自分でDNSを立てているか、DNSの設定を変更できるホスティングサービスを利用していないと使えない。僕の場合は自宅にサーバーを持っているので問題なかった。もっとも設定自体は詳細なインストラクションがあったので非常に簡単だった。IT技術者でなくてもそう苦労せずにできるだろう。

Google Appsの管理者には特別なメニューが用意されていて、一般ユーザー向けにスタートページを指定したり、もちろんメールアカウントを作成や削除、一斉通知、ウェブサイトの作成などができる。要はウェブベースのグループウェアの管理機能のようなものだと思えばよい。機能はシンプルだが、洗練された操作性がいかにもGoogleらしい。

有償版の Google Apps Premier Editionは1アカウントあたり年額6,000円だそうだ。使い勝手のよさと管理コストを大幅に削減できることから大手企業でも採用する例が増えているとか。僕が中小企業のCIOなら間違いなく利用するだろう。

Google Apps の管理画面。Googleの常として新しい機能はまず英語版で提供されるので、英語のままだが、もちろん日本語にもできる。

Googleapps





2007年12月12日水曜日

僕のクレジットカード+電子マネー利用術

僕は原則として全ての支払でクレジットカードを使う。使わないのはクレジットカードを使えない場合だけと言ってよい。一番の理由は現金よりずっと安全だから。現金は落としたり盗まれたら終わりだが、クレジットカードは万が一不正利用されても全額保証される。

電子マネーはあまり好きではないが、コンビニになどクレジットカードが使えなくても電子マネーは使える店もあるのでしかたがない。通勤がJRなのでヴュースイカをオートチャージにして使っている。不正利用されてもクレジットカードの部分は全額保証されるが、電子マネーの部分は連絡した時点の残高しか保証されないそうだ。だから、電子マネーの部分はできるだけ金額を低くしている。そうすれば万が一の場合の損害が最小限になるし、実質的にクレジットカードを使うのに近くなる。この点パスモと違ってヴュースイカのオートチャージは電子マネーの金額が自由に設定できて便利だ。

もう一つの理由はポイントだ。僕がメインで使っているカードはノースウエスト航空のマイレージが貯まるタイプだ。100円の買い物をすれば1マイル貯まる。電話代などの支払などを含めると1ヶ月に最低でも10万円くらいはこのカードで払うので、1年で1万2千マイルは貯まる。また1年に1回はアメリカへ行くのでこれで同じく約1万2千マイル。アメリカ往復の航空券は6万マイルなので、2年半に1回は無料でアメリカへ行ける計算になる。ビュースイカも半年で電子マネー化できるポイントが4千円もついたのでこれは大きい。

クレジットカードなら何でもいいというわけではない。不正利用で全額保証されるのはどこも同じだが、オンライン取引での誤請求などのトラブルはカード会社によって対応が違う。これも全額保証されるカードを選びたい。やはり年会費をきちんと取るカードは総じて対応が良いようだ。

日本ではカードで支払ってもカード会社からその小売店に代金が支払われるのは最短一ヶ月後だが、アメリカでは通常3営業日以内に振り込まれる。

Creditcard

2007年12月9日日曜日

来年はオーソドックスな手帳にしてみました

この時期書店には多くの手帳が並べられている。仕事のスケジュールはNotesのカレンダーだし、プライベートではGoogleカレンダーを使っているので紙の手帳でスケジュールを管理することはほとんどない。といってもやはりないと不便なので毎年購入する。

ここ3年ほどは「超整理手帳」を使っていた。スケジュールがジャバラ式で二ヶ月を見渡せたり、普通のA4用紙でリフィルを作って挟み込めるのが売りの手帳だ。しかし、僕の場合、広げて二ヶ月分を見渡すことはほとんどない。リフィルもメモくらいだし、それもサイズが細長くて書き込みにくいので、別途メモ専用の手帳を持参したりしていた。で、今回は最初に選択肢から外した。

モールスキンというイタリア製の手帳にはかなり食指が動いた。サイズも丁度いいし、裏表紙が厚くなっていて持ったままでも実に書きやすい。罫線も適度に薄いので何でも書き込むタイプの人には向いている。しかし、僕は胸ポケットにペンを入れるのが嫌いなので、今度はペンホルダー付きが欲しかった。

ということで結局オーソドックスなタイプ、高橋書店のニューダイアリーペンホルダー付きを購入した。左側がウイークリーで右側がメモになっているよくあるタイプだ。でもほとんど右側のメモしか使わないだろう。それもだんだんと左側にメモが侵食して全面メモ帳と化す可能性が大だ。それなら最初からメモだけの手帳にすればよさそうなものだが、メモというのは最低限時間軸で整理されていなければ事後の検索がほとんど不可能になるし、スケジュールもまったく使わないというわけでもない。それで結局スケジュール付きの手帳に落ち着く。

ちなみに英語では手帳のことをプランナーという。アメリカの書店にも年末には日本と同じようにプランナーのコーナーができる。しかし、日本よりずっとこじんまりしていて種類も少ない。そういったものに凝るという国民性がないのかもしれない。

アメリカ製の手帳(プランナー)。シンプルなデザインが使い易そうだ。

Planner

2007年11月30日金曜日

100ドルラップトップを触ってきました

100ドルラップトップパソコンというのを聞いたことがある人は多いだろう。わずか100ドルのラップトップパソコン(ノートパソコン)を数百万台から最終的には2億台の規模で世界中の発展途上国の子供たちに無料で配布しようという壮大な計画だ。目的は子供たちの教育と貧困の解決だ。マサチューセッツ工科大学のメディア研究所の所長であったニコラス・ネグロポンテ氏が創立したアメリカの非営利団体「The One Laptop per Child association (OLPC)」が開発している。

それを実際に触る機会があった。写真のように外観は一見安っぽい。キーボードはゴムのカバーで覆われているが、コストだけでなく防水・防塵の目的があるようだ。同じくタフな状況での仕様を想定してマスストレージは1GBのフラッシュメモリだけでハードディスクなどは付いてない。ディスプレイがモノクロとカラーを切り替えられるのはバッテリーの使用時間を考えてのことだろう。無線LANは標準装備、基本ソフトはLinux。アプリケーションはブラウザや電子メール、チャット、ワープロ、お絵かき、マルチメディア関係など教育目的に限定された基本的なものだが、辞書や教科書を組み込む計画もあるそうだ。

あまり長い時間は触れなかったのだが、アプリケーションは良く吟味されている印象を受けた。ハードウェアは高機能のマシンを使い慣れた身では正直使いづらいところはある。しかし、空調の効いたオフィスなどではなく、埃だらけだったり、時折スコールもあるよかもしれないような劣悪な環境での使用が前提で、しかも低価格ということなら最新の技術だと思う。

すでに第一次の配布も始まっている。現在のところ目標の100ドルを少し上回る130ドル程度だそうだ。それを各国の政府が買い取って子供たちに無料で配布する。すばらしい計画なのでもしできることがあるなら協力したいものだ。

Linuxforkids


2007年11月20日火曜日

アメリカ人の通勤方法「K+R」

アメリカは日本に比べて鉄道網が発達している都市は少ない。僕が訪れたことのある都市でよく発達しているのはニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、アトランタくらいだろうか。こういった都市では近郊の住宅地に大きな駐車場を備えた駅がよくある。いわゆる「パーク・アンド・ライド」で、自宅から最寄の駅まで車で来て、そこから電車に乗り換えるのでそう呼ばれる。

一方、奥さんが自宅の近くの会社で働いていて、夫は都心へ通っているという夫婦も多い。そんな場合、奥さんが毎日夫を駅まで車で送って行く。そして駅の前で「行ってくるよ」と言って奥さんにキスをしてから電車に乗る。そのためこんな通勤方法を「パーク・アンド・ライド」にかけて「キス・アンド・ライド」という。もちろんキスは必須ではない。都心の交通渋滞の緩和になるし、駐車場を作る必要もないのでは行政にとって非常にありがたい。

以前アトランタへ行ったとき、自由時間があったのでダウンタウンから少し離れたところにあるキング牧師の記念館を訪れた。周辺は比較的所得の低い人が多く住む住宅地なのだが、近くにキングス・メモリアルという駅がある。その駅の看板が面白かったので写真を撮った。見ての通り本来はスラングの「キス・アンド・ライド=キス・ライド」が堂々と書いてあるのだ。この言葉を正式に採用?にしているのはアトランタ市交通局だけだとか。「K+R」と書いてある駅もあるそうだ。面白いと言うか粋だと思う。言葉だけでなく、駅の前には「キス・アンド・ライド」専用の乗降口があって多くの車が同時に一旦停止できるようになっている。もちろん「パーク・アンド・ライド」用の大きな駐車場もある。



2007年11月5日月曜日

これは便利!Puppy linux(パピーリナックス)を使う

数多いLinuxディストりビューションの中で、最近注目されているのがPuppy Linuxだ。Puppyとは変な名前(英語で子犬の意味)だが、2003年にオーストラリア人が公開したディストリビューションだ。特徴はとにかく小さくて軽いことだ。その大きさはわずか90MB。日本語化されたエディションでも115MB程度だ。

僕はこれを256MBのUSBメモリ(大分前に1,800円で買った安物)に入れて、携帯のストラップにして持ち歩いている。最近のパソコンはたいていUSBメモリからブートできるので、これを差し込んでパワーオンすると使い慣れたWindows XPパソコンがあっという間にLinuxパソコンになってしまう。インストールも超簡単で、ISOファイルをダウンロードしてCDに焼けばそれだけでLiveCDが出来上がる。後はUSBメモリを差込み、ウィザードを起動すれば数分で終わりだ。

都内のオフィスから神奈川県にあるデータセンターによく出かけるが、ノートパソコンを持って行くのは面倒なので、センター内に常備してある共用パソコンを使う。でも、共用なのでいろいろ不具合がおこるし、保存できないデータもある。そんなときこのUSBメモリでLinuxブートすれば自分だけの環境でサクサクと快適に使える。256MBでは大きなアプリケーションは入らないが、Notesやオフィスはセンター内のWindowsサーバーにインストールしてあるのでリモートアクセスしてそれを使う。つまり、パソコンはシンクライアントとして使う訳だ。

もちろんリモートアクセスクライアント以外にも最低限必要なアプリケーションやツール類は最初から入っていて結構使える。普段はWindowsを使っているが、Linuxでも遊びたい。でもそのためのパソコンは用意できない・・・。そんな人にも超お勧めだ。お試しあれ。

Puppylinux

2007年10月27日土曜日

アメリカ人と仕事をする苦労

僕が担当しているシステムはSBC(Server Based Computing)と言われているもので、数十台のWindowsサーバーがロードバランシングされており、アジア・太平洋の各国の約1万人が利用している。おそらくこの手のシステムとしては日本でも最大級だろう。ただ、構築後4年あまりが経過し、システム自体が大分古くなってきたので、全面的な再構築のプロジェクトが動き出している。

本社がアメリカなのでプロジェクトもアメリカ主導で行われる。具体的な指示があったのは7月。しかも9月に作業を開始するという。大慌てで必要なシステムテストや手順の確認をした。ところが9月になっても10月になってもゴーサインがでない。何度問い合わせても「もう少し待ってくれ」という返事ばかり。結局11月の下旬になりそうだという返事が来たのがつい先日だ。

「またか・・」というのが正直な感想だ。アメリカ人は、こちらが出先だからということもあるが、いつも直前になって指示を出してくる。「連絡が遅れたが大急ぎでやってくれ」と言われればこちらも仕事だから休みを返上してでもやる。ところがそう言ってきた彼らの方が全然急がない。というか、いつも遅れる。今回のことにしても開始が9月ということは8月は多くの人が夏休みを取るので、7月には準備をほとんど終えていないといけない。そんな様子もないので9月開始はかなり怪しいと疑っていたが、案の定だ。僕の経験では11月下旬もまず無理だろう。アメリカでは11月下旬にある感謝祭からクリスマスにかけて長期休暇を取る人が多く、ほとんど仕事にならないのだ。おそらく本格的な開始は来年の1月の中旬、日本の年始休暇の後になるに違いない。

かれこれ10年以上アメリカ人といっしょに仕事をしているがいつもそうだ。彼らと仕事をするときはスケジュールが大幅に遅れることを前提にこちらのスケジュールを組まないといけない。

2007年10月19日金曜日

僕の通販生活

アマゾンにアマゾン・プライムという会員制度がある。年会費3,900円を払えば1,500円以下の物を買ったときにかかる送料が不要になるし、通常は350円必要なお急ぎ便も無料になる。例えば朝一番で700円の雑誌を注文すれば、その日の夜には送料無料で配達される(関東地区の場合)。もともとアマゾンはよく利用していたが、1,500円以下のものを注文する場合は、あまり欲しくなかったり、急がないものを合わせて注文したりしていた。アマゾン・プライムの会員になってからはそんなことを意識せずに気楽に注文できるようになった。他の通販サイトと値段に多少の差があってもこの気楽さでついついアマゾンで買ってしまう。ほぼ毎週のように何かを注文している。家族で一人会員になっていれば他の同居家族にも適用されるので、家内も時々注文しているようだ。

流行の海外ドラマもアメリカのアマゾンでボックスで買って海外発送してもらえば日本でレンタルするよりも安く早く見られる。(ただし、アメリカと日本はDVDのリージョンコードが違うのでリージョンフリーのプレイヤーで見るか、リージョンコードを変換する必要がある。また、当然だが日本語の字幕や音声はない)著作権の関係で日本で手に入らない物も少なくないが、アメリカへ行ったときに通販で注文してホテルに送ってもらう。

もちろんウインドショッピングは楽しいので時々は出かける。でも、欲しいものを見つけても、その場では買わずに同じものを通販で注文することが多い。車を持っていないので、少し重いものや大きい物は特にそうだ。こんな時に携帯電話のデータ定額契約をしていればその場で探してその場で注文できるので便利だろうなと思う。

通販を多用するのと現金を使わない習慣はアメリカで身に付いたものだが、最近日本でも当時のアメリカとあまり変わらない環境になってきたので家族も喜んでいる。

2007年10月9日火曜日

多読から多聴へ−「多聴三原則」とハリウッド映画への道

季刊のムックで「多聴多読マガジン」というのがあって発売されるとよく立ち読みしている。ここで「多聴三原則」というのが紹介されていたが、なかなか興味深い。次の通りだ。

1.ひとつひとつの音や語を聴こうとしない。
2.聞こえないところは無視する。
3.楽しくなかったら途中でどんどんやめる。

英語のリスニングとなると構えてしまって一語も聞き漏らさないように集中して聞こうとする人がいるが、これをやると逆に何を言っているかわからなくなる。あるいは個々の音は聞き取れるけど何を言っているかさっぱりわからないということになる。

英語の本を読むときもまったく同じで、一語一語を全て理解しようとすると、意味のわからない単語が邪魔をして文章全体の意味が取れなくなる。逆に知っている単語だけを拾っていくようにすると全体の意味がわかるようになる。

リスニングでも「聞き取れないところは無視する」と聞き取れる音だけがつながって全体の意味がわかるようになる。日本人が日本語を聞くときでも100%聞き取れているわけではなく、聞き取れる部分をつなぎあわせて、聞き取れない部分を補完している。その作業を無意識にやっているので全部聞き取れているように感じているだけなのだ。

このようにリーディングはリスニングと共通点が多く、読むことは聴くことの効果的なトレーニングになる。ハリウッド映画を字幕なしでわかるようになりたければ、まず大人向けのペーパーバックが読めるようになることというのは説得力がある。中学程度の英語力があって(日本語の)本が好きな人が「多読三原則」さえ守れば1年くらいで読めるようになるそうだ。まったく同感。

そして、一番大切なのは最後の「楽しくなければ途中でどんどんやめる」だ。英語の勉強が続かない最大の理由は根性主義にある。日本語だって面白くない小説は途中で投げ出すし、ドラマはチャンネルを変える。映画なら寝てしまうだろう。英語だって同じだ。気にすることはない。

「多聴・多読マガジン」の主催者のウェブサイト http://www.tadoku.org

2007年9月29日土曜日

フットボールチーム名にみるアメリカの歴史

アメリカンフットボールは日本ではほとんど見る機会がないが、アメリカでは野球を凌ぐ人気プロスポーツだ。各チームが年間16試合しかしないのでチケットはあっという間に売り切れる。シリコンバレー近郊ではサンフランシスコにフォーティーナイナーズ(49ers)というチームがあって、ファンが多い。

49とは1849年のことを意味する。なぜこれをチーム名にしたかというと、1849年はカリフォルニア州の現在の州都、サクラメントの近郊で金鉱が発見された年、つまりゴールドラッシュが始まった年なのだ。これを機会にカリフォルニアの人口は爆発的に増え、急速に発展していった。

その前年、1848年にメキシコ戦争(アメリカとメキシコの戦争)がアメリカの圧勝で終わり、その代償としてメキシコはカリフォルニア、テキサス、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、ワイオミング、コロラド、当時のメキシコ領の実に3分の1という広大な土地、を割譲した。その次の年に巨大な金鉱が発見されたのだからメキシコはさぞや悔しかっただろう。ついでに言うならば、さらにその後、テキサスでは無尽蔵の油田が発見されている。超大国への発展の原動力となったカリフォルニアの金とテキサスの石油をこの年にアメリカは手に入れたのだ。

メキシコ戦争は現在の感覚ではどう考えても侵略戦争で、実際メキシコでは「アメリカのメキシコ侵略」と呼んでいる。もちろんアメリカの言い分は違う。カリフォルニアの中学生用の歴史教科書には「メキシコの所有は名目的なもので、何もない荒地を開拓してヨーロッパ文明とキリスト教を持ち込み、発展させたアメリカこそ正当な所有者」と書いてある。

メキシコがこの歴史教科書に文句を言ったという話はないし、言ったとしてもアメリカは相手にしないだろう。



当時メキシコから独立していたテキサス共和国。メキシコは独立を認めておらず、アメリカへの編入がメキシコ戦争の直接の原因になった。

Wpdms republic of texas

2007年9月26日水曜日

携帯電話とBluetoothヘッドセット

先日ニューヨークへ行ったとき、マンハッタンあたりで通勤しているビジネスマンが耳のところに変なものを付けてボゾボソ独り言を言っている。そういえばアリゾナやサンディエゴでITカンファレンスに参加してた時も時々見かけた。何だろうと思っていると、どうやらBluetooth対応のヘッドセットでワイヤレス接続した携帯電話で通話しているらしい。

日本ではBluetooth対応の携帯電話は少ないが、スマートフォンの普及しているアメリカやヨーロッパでは多くの機種が対応している。それに超小型のヘッドセットを接続して車の運転時や歩いているときに携帯電話を使っているのだ。ヘッドセットは軽いものだと15g〜20gで長時間耳に掛けてもまったく苦にならない。かかってきた電話に出るのも携帯電話を操作する必要なない。ヘッドセットの小さなボタンを押すだけで応答したり切ったりできる。電話をかけるのもリダイヤルなら同じくヘッドセットのボタンを押すだけだ。しかし、いくら便利で小さくても、運転中はともかく歩いているときや電車の中でまでヘッドセットを常時つけるのは勇気が入りそうな気もするが、実用主義者の多いアメリカでは気にしない人は気にしないのだろう。

Bluetoothのヘッドセット自体はわりと高価でアメリカでも40ドルから200ドルくらい。日本だと最低でも6000円くらいするようだ。もっとも携帯電話専用ということではなく、パソコンでのチャットやスカイプでも使えるので一つあれば重宝するかもしれない。ちなみに僕の携帯電話はBluetooth対応だ。今度アメリカへ行ったとき気が向いたら買うかも・・・。

2007年9月17日月曜日

IMでの決まり文句とアメリカでの思い出

IMでメッセージを送る時、決まり文句というものがある。よくコンタクトを取る人なら「お疲れ様です」、そうでもない人なら「お世話になります」といった言葉から始まる。これは会社にもよるだろうし、もちろん人にもよる。僕の場合、ある程度意識してカジュアルになるようにしている。例えば相手が若い人で金曜日なら「T.G.I.F.」だ。これは「Thank God It's Friday」の略で「神様、金曜日をありがとう」つまり「明日は休みだ、うれしいな」といった意味になる。アメリカでは結構ポピュラーな挨拶だ。これに対し「Oh, Yah」などと返してくれば「おっ、わかってるじゃん」という事になるが、たいていは「なんですかそれ?」と質問される。外資系なのでいいが、普通の会社ならキザと思われるかもしれない。

何か依頼されたり質問されて、相手に「ありがとうございました」と感謝されたときは、「anytime!」で締めくくる。この意味がわからない人はいないだろうが、実はこの言葉には思い出がある。

それは在米中、感謝祭(Thanks Giving Day、11月の第4木曜日)の日だった。感謝祭はその年の収穫を神に感謝する日で、アメリカでは非常に重要な祝日だ。この日は近くに住む家族や親戚、親しい友人などが集まって七面鳥やパンプキンパイなど開拓時代からの伝統的なご馳走を食べる。僕の家族も毎年招待されたが、女達は朝早くから料理を作り(七面鳥のローストは5時間くらいかかる)、男どもは朝っぱらからワインやビールを飲んだりする。日本の盆と正月が一緒になったような日だが、日本と違うのは日頃は24時間営業のスーパーやマクドナルドまで休業してしまうことだ。つまりそれくらい大切な日なのだ。

その感謝祭の朝、ポケベルが鳴ったので見るとサーバーの名前とエラーコードが表示されていた。サーバーに異常があると自動的にシステム管理責任者のポケベルに通知してくるのだ。あいにくFreeBSDのサーバーで復旧方法がよくわからない。担当の技術者に連絡しようとしたが、何しろ感謝祭で誰とも連絡が取れない。困り果てていると、近くにある空軍基地のコンピュータ担当の技術兵で、時々手伝ってもらっている友人を思い出した。彼なら詳しいはずだ。電話をすると幸いにも彼が出てすぐ来てくれると言う。無事復旧して「助かったよ、感謝祭なのに来てくれてありがとう。」とお礼を言うと、帰ってきた言葉が「anytime!」だった。

彼とは帰国後連絡を取っていないが、噂ではイラク戦争への派遣命令を拒否したため二階級降格の上、不名誉除隊になったという。不名誉除隊とは懲戒免職のことで、アメリカでは国家に対する裏切り者扱いされ、まさしく一生不名誉を背負うことになる。さらに軍命を拒否したとなれば懲役刑も科されているはずだ。彼なりの考えがあったのだろうが、イラク戦争のニュースを聞くと時々あのときの彼の笑顔が思い出されるのだ。

2007年8月16日木曜日

夏休みは海外の「コールドスポット」でリフレッシュ!

世間では今週は夏休みを取って帰省したり自宅でのんびりしている人も多いだろう。しかしIT技術者の夏休みはずばり「海外旅行」で決まりだ。オペレーションセンターは24時間365日稼動なので、システムトラブルがあれば休暇中であろうと深夜であろうと呼び出されてしまう。IT関係には私的な旅行でも会社支給の携帯電話を常時持つことを義務付けている会社さえある。自宅にいようものなら急きょ休暇を取りやめて出社、旅行中でも国内なら1時間も携帯電話に片手にあれこれ指示を出す羽目になりかねない。その点海外旅行なら最初から連絡を取るのをあきらめて出社している社員で対応するか帰国を待つしかない。

しかし、最近はそういう手も必ずしも使えなくなってきた。海外でも無線LAN完備のホテルが増えてきたのだ。ホテルで観光情報をグーグルしていたらインスタントメッセージが「よかった、困ってたんだよ!」などとポップアップしかねない。休暇を取って海外旅行などというとノートパソコンを持参するように平然と指示するプロジェクトマネージャさえいる。その上「メールは毎日チェックしろよ」とか「インスタントメッセージは常時オン」などにいたっては暴言・無法としかいいようがない。

「ホットスポット」とはもちろん駅やレストランなどで自由に無線LANが使え、いつでもどこでもインターネットに接続できる場所だ。そのような場所はもちろん必要だが、同時にこれからの社会には「コールドスポット」が求められている。これは「ホットスポット」とは逆にインターネットも携帯電話もまったく通じない場所だ。いつでもどこでもインターネットに接続できる社会とは、同時に24時間365日ストレスから解放されない社会でもある。ほとんどの人間はそういう環境にどっぷりと浸かって健康と正常な精神を維持できるほど強くない。IT技術者に限らず毎日数時間、毎月数日、毎年数週間は「コールドスポット」に入る必要がある。「超」整理法の著者の野口悠紀夫氏はその著書の中で「世界で一番快適なホテル」として、実在する「部屋に電話がなく、取り次ぎもしないホテル」を挙げている。日ごろ激務に追われるエグゼクティブは、その電話がないホテルですべての仕事やプレッシャーから開放され心身ともにリフレッシュする。そして英気を養って仕事に戻るのだという。

かくして、IT技術者の夏休みの海外旅行のトレンドはインターネットが日本ほど普及していない東南アジアあたりのリゾートで、あまり大きくない地元資本のホテル−絶対に携帯電話もインターネットも使えない−になる。つまり「コールドスポット」だ。それはもはや日本国内には存在しない。

 

2007年7月28日土曜日

この表現は政治的に正しいですか?

アメリカにはPCという言葉がある。この場合 Personal Computer のことではなく、Politically Correct の略で、直訳すると「政治的に正しい」ということになる。別に共産主義は関係なく「性別、人種、宗教的な差別を含まない表現」という意味で使われる。

例えば、黒人を指すのに蔑視表現である Negro を使ってはいけない。black はかつてのような差別的な響きはないが好ましいとも言えない。では何がPCかと言えば African American だ。つまり「the term "African American" is PC.」となる。日本の新聞もその影響で「オバマ上院議員はアフリカ系アメリカ人初の大統領候補になるか」などと載せている。また、マスコミなどは性別が定かでないときはわざわざ「He or She was removed from office」などの二重の表現を使う。これも男女を代表させて He を使うのはPCではないとされているためだ。以前は警察官は policeman と言っていたのを police officer、消防士も fireman が fire fighter となってきたのも同様だ。

アメリカには数多くの民族や宗教があるためPCは非常にデリケートで難しい問題だ。同じ表現でも人や時によって感じ方も違う。母親が日系人のある友人は「I am half jap」などと平気で言っていた。日本人に対する蔑視表現だった jap も今では差別的な意味は少なくなってきているのだ。もちろん年配の日系人なら今でも眉をひそめるだろう。

Hillary for Presidentというヒラリー・クリントンの選挙運動のウェブに登録してあるので、毎週ニューズレターが送られてくるのだが、当面の競争相手が相手だけにPCには非常に気をつけているようだ。そういった観点から読んでもなかなか面白い。


2007年7月25日水曜日

通勤電車でDVDを見る

ドア・ツー・ドアで通勤に1時間50分かかる。通勤時間の有効利用については語りつくされた感があるが、周りを見ても本や新聞を読むか音楽を聴くという伝統的スタイルの人がほとんどだ。これは日本だけでなく、MTA(ニューヨークの地下鉄)やBART(サンフランシスコ・ベイエリアの地下鉄)でも同じで、たまにブラックベリーというアメリカで非常に普及しているスマートフォンを使っている人がいるくらいだ。日本では朝から携帯メールに夢中の女子高生がいるがアメリカでは見かけない、と言うよりそもそも高校生が電車で通学するという習慣がない。

僕も基本的には伝統派で、朝はPB(ペーパーバック:アメリカの文庫本)を読むか、iPodでオーディオブックを聴いている。ただ、帰りはDVDで映画を見るのがここのところの日課だ。最近のポータブルDVDプレイヤーは非常に軽量、コンパクトで、バッテリーも映画1本分は余裕で持つ。画質も綺麗だ。

ここ数年にレンタルした映画はほとんど全てDVDにダビングしてある。150枚くらいはあるだろう。iPodなどのシリコンプレイヤーも考えたが、PCでのフォーマット変換や転送が面倒だ。DVDプレイヤーなら気軽に持ち出してそのまま再生できる。僕が買ったのは画面は5インチ、サイズは138(W)×153(H)×31(D)mmでDVDのジャケットより一回り大きいくらい。重量は650gで通勤電車で持ち続けてもほとんど苦にならない。なかなか快適で帰りの電車が楽しみなほどだ。

愛用の東芝製のポータブルDVDプレイヤー
値段はコジマで29,800円。ワンセグも付いているが、もともとテレビをあまり見ないので使ったことがない。電源を切ってもそこから再生できるレジューム機能が便利。

2007年7月19日木曜日

要注意!IT用語の日本式発音

IT用語は言うまでもなくほとんど全て英語から来ている。ただ、日本式の発音だとアメリカ人に通じないことがよくある。

例えばネットワークコマンドの ping は「ピング」ではなく「ピン」と発音する。英語では最後のgは発音しないからだ。香港(Hong Kong)がホングコングではなくホンコンなのも同じ理屈だ。日本では逆にgを強く発音する人が多いが、アメリカ人にはまったく通じない。

LinuxエディタのPicoは「ピコ」ではなく「パイコ」だ。英語ではiは普通「イ」ではなく「アイ」と発音するからだ。これについては10年くらい前に Linux を「リナックス」と呼ぶか「ライナックス」と呼ぶかという大論争があったことを思い出す。僕はそのころサンノゼで開催された「Linux World Conference and Expo」に参加したのだが、その時はリナックス派とライナックス派が半々だった。これは結局<a href="http://www.catb.org/~esr/faqs/linus/english.au" TARGET="_blank">リーナス・トーバルズ自身が「リナックス」と発音した</a>ことで決着したと記憶している。そもそもリーナス(Linus)自体はをライナスと発音するアメリカ人が多い。

さらにネットワーク機器のルーター(router)は「ラウター」となる。最初は新しい機器が発明されたのかと思った。データベースのSQLは「シークェ」だ。最後の「L」はほとんど発音しないので聞こえない。歌手の Billy Joel は「ビリー・ジョエル」ではなく「ビリー・ジョー」と言わないと通じないのと同じだ。

それ以外にもaは「ア」ではなく「エイ」と発音されることが多い。サンのオペレーティングシステムの Slaris を「ソラリス」ではなく「ソレイリス」と発音するアメリカ人は少なくない。もちろん彼らに「ソラリス」と言っても通じない(なかった)。

ある程度パターンがあるので慣れれば多少は対応できる。特に母音がからむと要注意だ。わからない=通じない場合はすばやく置き換えてみよう。

2007年7月16日月曜日

アメリカンドリームの本当の意味

アメリカには英才教育の制度がある。カリフォルニア州の場合はGATEと呼ばれていて、小学校の低学年の中から優秀な子供が各校数名程度が選抜され、その学区に特別に作られた英才教育のためのクラスに編入する。知能指数が130~150以上の子供の中から選ばれるようだ。
カリフォルニア州では成績が上位数パーセントの高校生は名門カリフォルニア大学への優先入学権が与えられるが、その多くはGATE出身者が占めていると思われる。日本ならさしずめGATEに選ばれるための塾ができそうだが、もちろんアメリカではそんなものはないし、選抜された子供達を羨望の目で見るような子供も親もいない。

アメリカ人の最大の美徳は「他人の才能に嫉妬しない」ことなのだ。そもそもGATE自体が「Gifted And Talent Education」つまり「与えられた才能のため教育」の略だ。この場合与えたのは親ではなく「神」だ。神が与えるものである以上、才能は人間的な感情である嫉妬の対象になり得ないのだ。

「アメリカンドリーム」とはビル・ゲイツのように起業して大金持ちになることではない。たとえ貧しい家庭に生まれても、他人の才能に嫉妬せずに自分に与えられた能力と環境の中で地道に努力さえすれば誰もが豊かな生活-広いバックヤードと暖炉の燃える暖かいリビングルームのある家、固い絆に結ばれた家族と一緒の生活-が築ける。「それがアメリカン・ドリームの本当の意味なんだよ」とアメリカ人の友達に聞いたことがある。彼らはそんなアメリカを信じているのだ。僕達日本人もかみ締めてみたい言葉だ。


アメリカ家庭の典型的なリビングルーム。暖炉は現在では象徴的・装飾的な意味合いが強い。


2007年7月15日日曜日

アメリカでカーナビが普及しない理由

僕は10年以上日本で車を運転したことがない。そのせいでカーナビを一度も使ったことがない。年に1−2回アメリカへ行ってレンタカーを運転するがカーナビが付いている車をほとんど見たことがない。替わりに一般的なのがドライビング・ダイレクションだ。 YahooでもGoogleでもポータルサイトに必ずある機能で、出発地と目的地の住所を入力すると目的地までの詳細な道順や距離、所要時間が表示される。これをプリントアウトして持参してその通り運転すればよい。

日本にないのは不思議だったがよく考えると当然だ。アメリカの道には数メートルの短いものでも必ず名前が付いていて、交差点などの道路標識に必ず道の名前が表記されている。だから「ウォール通りを右に曲がり3マイル進んで、ブロードウェイ通りとの交差点を左に曲がり・・・」というように指示されれば目的地にたどり着く。日本ではこうはいかない。

アメリカでは住所の表記は「ワシントン通り400番地」など道の名前が基準にになっている。大きな道ならよいのだが、短い道だとどこにあるかは地元の人でも知らない。だからアメリカの地図には道の名前のインデックスが付いている。その町の全ての道の名前が網羅されているので必然的に虫眼鏡がないと見えないほど字が小さい。夜などは暗くて道の名前の標識が見えにくいし、地図で探すのも苦労する。

それでアメリカでもカーナビがあれば便利だろうと思うのだが、レンタカー代+1日10ドルくらいするので借りたことがない。アメリカ人もドライビング・ダイレクションならタダなので高価なカーナビを買う気にならないのだろう。電話の市内通話がタダなのでブロードバンドの普及が遅れたのと同じ理屈かもしれない。

ニューヨークはマンハッタンのブロードウェイとウォールストリートの交差点の標識

2007年7月11日水曜日

自ら国際化の芽を摘む日本のITオフショアの現状

先月まで神奈川県内の事業所へ通っていたのだが、7月から都心へ移動になった。所属する部門がまるごと移転してしまったのだ。今まで社内のIT技術者は都内を中心とする数ヶ所データセンターに分散していたのだが、一ヶ所に集約して効率的な運用を目指すことになったのだ。新事業所はデータセンターとは遠く離れた普通のオフィスビルにあり、当然全てリモートで遠隔地のサーバーの運用やシステムの開発することになる。

それどころか、コスト削減のために一部のサーバー運用業務を中国に移管することになった。どうせリモートなら40キロも2000キロも同じという発想だろう。開発の海外移管は以前から進んでいたが、ついに運用までもという事か。担当する中国人技術者もすでに採用されていて、チームミーティングにもテレコン+ウェブミーティグで参加している。アメリカならこのような場合おそらくインドに移管するだろう。日本からの移管先が中国に偏在する理由はインドなどの他国より日本語を話せる人材をずっと確保しやすいことに尽きる。

僕の勤め先は外資系なので英語が話せる人間は普通の会社よりずっと多い。社内には英語の文書が溢れて英語のメールがガンガン行きかっているという会社だ。それでも中国になってしまうのだ。でも彼ら中国人の日本語は日本人の英語に比べてずっと流暢とは言いがたい。はっきり言えばほとんどドッコイドッコイだと思う。

僕の回りにいる日本人の英語のレベルなら、ある程度の期間、体系的にIT業界限定の英語を叩き込めば意思の疎通はかなりできるようになると思う。もちろん最初は多少のトラブルはあるだろうが、それを恐れていてはいつまでも中国に頼る現状から抜け出せない。しかも中国人の技術ではなく、中国人の日本語にだ。日本人は自ら国際化の芽を摘み取っているような気がしてならない。

2007年6月30日土曜日

プロフィール

徳島県出身のIT技術者です。趣味は登山、ロードバイク、ジョギング等アウトドア系がメインですが、読書も大好きです。海外旅行も好きで、アメリカ旅行は10回以上。どちらかと言うとカナダ、オーストラリア等移民が作った国が好きです。特に英語が好き(得意)なわけではないですが、旅行程度なら何とかなります。時折英語の小説を読んだりしています。昔はペーパーバックでしたが、スペースの関係で現在はKindleが中心です。以前は週末ライターとしてコンピュータやビジネス関係の雑誌などにIT関係の記事を書いたりしていましたが、現在は読むだけです。

コンピュータは自宅ではMac(MacBook Air)を愛用しています。

自宅のネットワークでASUS製のパソコン(CPU Intel Core i7,メモリ16GB,HDD2TB)にVMware HyperVisorをインストール、仮想マシンとしてCentOS 8,Windows Server 2012, Windows Server 2016 を走らせています。主に検証用ですが、ウェブサーバーとして外部に公開もしています。NAS(ネッワークストレージ:2TB)とUPS(無停電電源装置)あり。OpManagerでネットワーク&サーバーの監視をしています。もちろんWiFiで無線化してあります。VPNで外部からのアクセスも可能です。



その他

  • 2018年1月から2年間、国際協力機構(JICA)からレソト王国のレソト教育大学にIT技術者として派遣され、コンピュータシステムの改善指導を行いました。
  • 2015年3月から2年間、国際協力機構(JICA)から南アフリカ共和国の職業訓練校に講師として派遣され、コンピュータ・ネットワークを教えていました。
私のミドルネーム(もちろん私称ですが)の「Khotso」はレソトの公用語であり、南アフリカの11ある公用語の一つでもあるソト語で「Peaceful」という意味です。