2007年7月11日水曜日

自ら国際化の芽を摘む日本のITオフショアの現状

先月まで神奈川県内の事業所へ通っていたのだが、7月から都心へ移動になった。所属する部門がまるごと移転してしまったのだ。今まで社内のIT技術者は都内を中心とする数ヶ所データセンターに分散していたのだが、一ヶ所に集約して効率的な運用を目指すことになったのだ。新事業所はデータセンターとは遠く離れた普通のオフィスビルにあり、当然全てリモートで遠隔地のサーバーの運用やシステムの開発することになる。

それどころか、コスト削減のために一部のサーバー運用業務を中国に移管することになった。どうせリモートなら40キロも2000キロも同じという発想だろう。開発の海外移管は以前から進んでいたが、ついに運用までもという事か。担当する中国人技術者もすでに採用されていて、チームミーティングにもテレコン+ウェブミーティグで参加している。アメリカならこのような場合おそらくインドに移管するだろう。日本からの移管先が中国に偏在する理由はインドなどの他国より日本語を話せる人材をずっと確保しやすいことに尽きる。

僕の勤め先は外資系なので英語が話せる人間は普通の会社よりずっと多い。社内には英語の文書が溢れて英語のメールがガンガン行きかっているという会社だ。それでも中国になってしまうのだ。でも彼ら中国人の日本語は日本人の英語に比べてずっと流暢とは言いがたい。はっきり言えばほとんどドッコイドッコイだと思う。

僕の回りにいる日本人の英語のレベルなら、ある程度の期間、体系的にIT業界限定の英語を叩き込めば意思の疎通はかなりできるようになると思う。もちろん最初は多少のトラブルはあるだろうが、それを恐れていてはいつまでも中国に頼る現状から抜け出せない。しかも中国人の技術ではなく、中国人の日本語にだ。日本人は自ら国際化の芽を摘み取っているような気がしてならない。

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