2008年8月22日金曜日

50回かけてもつながらないヘルプデスクの話

我が家には4台のパソコンと1台のサーバーがあり、それぞれ無線LANでつながっている。プリンタは1台だけで、僕が普段使っているノートパソコンにつながっているのだが、当然ならが僕がパソコンの電源を入れていないと使えない。家族から不便だと文句を言われていたので、プリンタサーバーを買った。P社の双方向性タイプで値段は8,000円。相場を考えると安いが、でもそこまで必要かなぁ・・・と思いつつアマゾンで半ば衝動買いした。

翌日に届いので、さっそく開封して設定マニュアルを読みながらセットアップを試みた。CDを入れてSetup.exeを実行。マニュアルではインストーラーは日本語のはずなのに表示されたのは英語。「まぁいいか」と思いつつ、進めると肝心のプリントサーバーが認識されない。最新版のドライバをダウンロードしたり、いろいろやってみたが駄目だった。

それでヘルプデスクへ電話してみることにした。まずマニュアルにある通話料無料の電話番号へかけると、「この番号は混雑しているので第2センターへおかけ直しください」とのメッセージ。「おいおい、10時開始で10時1分にかけたのに」しかもこの第2センターとやらは通話料無料ではなく普通の電話番号だ。それでもかけるといろいろプッシュボタンを押させたあげく「混雑しているのでしばらくして掛けなおして下さい」とのメッセージとともに一方的に切られてしまった。

何回かけても状況は同じ。時間をおいてもまったくつながらない。その日はギブアップ。翌日に会社からかけてみたがかからない。電話した回数は2日間で約50回。つまり500円かかったことになる。

ウェブサイトに質問用のフォームがあったが、「混雑しているので返答に時間がかかります」との表示があった。それでも状況を詳細に書き込んで送信してみた。返事が来たのは3日後。内容は「セキュリティ関係のソフトを止めてやりなおして下さい」という短いもの。「そんなこととっくにやってるよ!」この対応に腹が立って結局返品した。

しかし、はっきり言って詐欺ではないか。50回かけてもかからないヘルプデスクなどないのと同じだ。しかも無料に見せかけてきっちりと電話代を負担させている。P社の製品は前にも一度買ったことがあったが、二度と買う気がないのは言うまでもない。

2008年8月17日日曜日

50年後のFORTRANの姿

僕はプログラマではないので、もちろん本格的なプログラムを作ることはない。しかし、ちょこちょことスクリプトを書くことはよくある。最近はWindowsの仕事が多いのだが、BATはあまりにお馬鹿さんだし、VBSは記述性が悪いので好きではない。インターネットの初期の頃は動的ウェブサイトといえばPerlという時代があって、ある程度本格的にやったことがある。それで今でもPerlを良く使う。Active Perlは僕にとっては標準インストールツールだ。

プログラム言語も今は数え切れないくらい種類があってややこしい。僕の学生のころはCOBOL,FORTRAN、Cくらいしかなかったのだが(年がわかりそうだ)。世界最初のプログラム言語であるFORTRANが生まれたのは1954年だから、今年で54歳ということになる。学生のころ授業で少し習ったがあまりまじめに勉強しなかった。

4年前にあるコンピュータ雑誌にFOTRAN生誕50年についてマサチューセッツ工科大学だったかの教授が書いた記事があった。いろいろとFOTRANやらプログラム言語の歴史について触れて、最後に未来について述べた部分があった。

「50年後のプログラム言語がどのようなものであるかを予測することはできないが、現在とはまったく違ったものであることは間違いない。しかし、そのうちの一つはやはりFORTRANと呼ばれているだろう。」

僕はこの文言がとても好きで、いろいろな人に話したことがあるのだが、誰も「面白い」と言ってくれない。

解説すると、「プログラム言語は互換性を維持しながらもどんどん変化していき、長い間には初期のものとはまったく違ったものになる」という意味になる。

ここまで説明すると大抵の人は「あー、なるほど」とは言ってくれるが、今ひとつ面白そうな顔はしない。僕はプログラム言語だけでなく、コンピュータそのものの特徴を実によく表していると思うのだが・・・。

皆さんはどう思います?やはりあまり面白くないですかね。

欧米有力企業が「LGBT」に注目する理由

「LGBT」という言葉をご存知だろうか?「L」はレズビアン、「G」はゲイ、「B」はバイセクシャル、「T」はトランスジェンダー(性同一性障害者)のそれぞれの頭文字を取ったもので、性的なマイノリティを指す言葉だ。それが今大いに注目されているのだ。

理由の一つは人材の確保と組織の活性化だ。組織を様々な属性、国籍、人種、肌の色、宗教、性別、年齢、障害の有無など、を持つ人たちにとって魅力的なものにすれば世界中から優秀な人材を確保しやすくなる。そうすれば組織も活性化するし、相乗効果も期待できる。組織の多様化はグリーバル企業にとって重要課題なのだ。その中にあって「LGBT」は宗教的な偏見も根強く、最近まであまり語られることなく、残されてきた対象だったのだ。

もう一つの理由はビジネスの対象としてだ。「LGBT」は欧米の先進国ではマーケットとしても無視できない影響力を持ち始めている。例えばアメリカでは全成人人口の約8%-10%と言われている。当然ながら扶養する子供がいない場合がほとんどで、必然的に可処分所得が極めて多い層ということになる。その購買力は約77兆円に達しており、なお拡大している。 また、高学歴、高トレンド感度、ファッションに敏感な人が多いという説もあり、その嗜好やニーズに配慮した商品企画を行う会社も多く登場している。さらに「LGBT」は自分達に理解のある会社と取引したり、その商品を買うこと好む傾向も顕著だ。それが多くの企業が先を争って自社の多様性をアピールしている理由の一つでもある。

現在、「LGBT」は日本でも人口の数パーセントを占め、そのマーケット規模は約7兆円と推計されている。小さな会社や組織であっても数人程度の「LGBT」は必ず存在することになる。自分の周囲でテーマとして感じないからといって、該当する人がいないということでは決してない。

 

 

 

 

 

2008年8月9日土曜日

呪われたサーバー?先週発生した障害の話

先週の日曜日の夜の10時ごろ、携帯電話が鳴った。前日、土曜日の朝、にあるサーバーに障害が発生してその対応で徹夜したが、まだ復旧できないので応援に来て欲しいというのだ。ちょっとアルコールが入っていたが、すぐに着替えて都内某所のデータセンターへ駆けつけた。

障害が発生しているサーバーはブラックベリーというスマートフォンと社内のグループウェアを同期させるためのものだ。利用者は役員を中心としたエグゼクティブで、利用開始時間の月曜日の朝7:00までの復旧は絶対だ。日頃は結果報告しか求めないPMが、今回は自宅からオンラインになって時折状況を尋ねてくる。

そのサーバーは1年前に稼動してから故障が相次いだため、担当者の間では半ば冗談で「呪われたサーバー」と呼ばれていた。最初にメモリが故障し、さらにCPU,ハードディスクと故障が続き、数ヶ月前にはマザーボードを交換した。唯一故障していなかったRAIDコントローラーが今回故障したのだ。これで交換していないのは筐体(ケース)だけになった。1年かけて少しずつ新品に交換したようなものだ。

それにしてもなぜこんなに故障が続くのだろう。個々の部品についてはもちろん保障期間があるが、通常は故障しないものばかりだ。故障が多いものの代表と言えば昔からハードディスクだが、それとて現在は技術の進歩で平均故障間隔は20年~30年だ。これは故障しないと同義のはずなのだが。実際、僕の自宅のサーバーは普通のPCでハードディスクはジャンクのIDEだ。サーバーなので24時間稼動だが、2年以上一度も故障していない。

あたりが悪いと言うか、ロットが悪かったと言えばそれまでだが、これだけ重なる可能性はそれこそコンマ以下2桁、3桁の世界だろう。

データベースの復旧に時間がかかったものの、結局月曜日の朝の6:30になんとかサービスを再開した。「お疲れ様でした。明日はおはらいですね」とは自分でもあまり面白くないジョークだった。

 

2008年8月2日土曜日

シンクライアントの最終型

数年前からセキュリティ・情報漏えい対策の決め手として注目されているシンクライアントだが、ここへ来て普及が足踏みしているらしい。原因は導入・運用に莫大なコストがかかることと、利用上の制限がかなり大きいことだ。

いくつかある方式のうち、現在実用的とされているのは仮想PC方式とサーバーベース方式だ。

仮想PC方式はVMwareやXen Desktopなどの仮想化技術を使って全ユーザーに専用の仮想PC環境をサーバー上に構築する方式だ。セキュリティの確保と利用者の操作性を両立し得る優れた方式だが、超高性能のサーバーが大量に必要で、全社に展開するのは莫大なコストがかかる。

サーバーベース方式はサーバー上で稼動する一つのアプリケーションを多数のユーザーが利用する方式だ。仮想PC方式に比べてコスト的にはずっと優れている。しかし、アプリケーション毎にサーバー上での細かい設定やチューニングが必要なことが多く、利用上の制限も大きいのが欠点だ。現在のファットクライアント(=普通のPC)に慣れ親しんだユーザーにはかなりの抵抗があるだろう。

サーバーベース方式のコストが安いと言っても比較の問題で、莫大なコストがかかることには変わりはない。導入例も限定的(社員の一部だけ)という場合がほとんどだ。トヨタ自動車は全社員7万人を対象にサーバーベース方式によるプロジェクトを進めているというが、あくまで例外中の例外だろう。検討の結果、結局導入を断念した会社がほとんどではないだろうか。

オフィススイートやグループウェアなどの主要なアプリケーションをウェブ化できればかなり有力な方式になるかもしれない。もしGoogleが Google Docなどをサーバーアプリケーションとしてパッケージ化して外販すれば業務のかなりの部分は移行可能だと思う。最終的にはそういう方向へ進むと個人的には考えている。

シンクライアント端末大手のワイズ社のラップトップ型端末。あまりスマートとは言えない。これも問題と言えば問題か。