2016年8月27日土曜日

南アフリカの基礎教育(2)

南アフリカでは基礎教育は小学校に相当する Primary School と高等学校に相当する High School (Secondary Schoolとも言う)二種類がある。中学校に相当する学校はない。

Primary School は Grade 1(1年生)からGrade 7(7年生)が通う。授業は Grade 1からGrade 3までは各部族語で行われる。そして Grade 4 からは国語(部族語)以外の授業は全て英語で行われる。英語の授業そのものは Grade 1からある。教育学的には第一言語(この場合は各部族語)が確定するのは10歳前後だそうなので、その頃に切り替えるというのは理にかなっている。

ただ、あくまで第二言語なので、英語が苦手な生徒もいるし、それが原因で授業についていけなくなる子供もいる。

High School はGrade 8 から Grade 12まである。卒業すれば18歳だ。その後は 就職するか、CollegeまたはUniversityに進学することになる。

Highschool

2016年8月26日金曜日

南アフリカの基礎教育(1)

勤務先の学校があるナマハレ(Namakgale)地区は人口約36000人。そんなに大きな町ではないが、小学校が5つもある。

南アフリカでは基礎教育は各部族語毎に行われるため、学校も言語毎にあるのだ。各部族の固有文化やアイデンティティを重視するという政府の方針なのだそうだ。公用語は11あるため、11種類の学校があるということになる。ただ、部族の分布は偏っているため、一つの地区にそんなにたくさんの学校があるわけではない。ナマハレの5校というのは多い方らしい。でも、地区によっては随分遠くまで通学しないといけないそうだ。そう言えば毎朝、子供を詰め込んだボロ車をよく見かける。遠くの地区からナマハレの小学校に乗せて行っているのかもしれない。

他のアフリカ諸国では小学校1年生から英語で教育を受ける国も多いようで、この場合はそんな苦労はない。しかし、大切な事だと思う。

Primaryschool

2016年8月22日月曜日

世界最大のバオバブの木

先日、巨大バオバブを見に行ったばかりだが、同僚に誘われて「世界最大」のバオバブを見てきた。

自宅から西へ約100キロ離れた隣町のTzaneen(ザニーン)へ行き、さらに高速道路を北に30キロ程で普通道に降りる。案内板に従って、低木の続く荒れ地の中の未舗装道を土埃を巻き上げながらしばらく進むと、突然視界が開けて、芝生に囲まれた巨大なバオバブが現れた。入場料25ランド。日本円で180円くらい。

樹齢1700年以上、高さ22メートル、周囲47メートル。根本の人と比べると、その巨大さが分かる。2本の木のように見えるが、下部でつながっていて、一本の木に間違いない。ただ、残念なことに大きな枝が裂け落ちている。先週突然裂けたそうだ。内部はやはり空洞で、写真のような小さなバーになっている。裂ける前までは営業していたのだろうか。

木の周りは小さなレストランや宿泊施設、プールなどがあって泊まれるようになっている。昼間だが暑いのでベンチでビールを飲んでくつろいだ。

DSCN0738

DSCN0742

2016年8月17日水曜日

校内試験真っ盛りです

先週から校内試験が始まった。任地の学校は全国に50校ある TVET College (Technical and Vocational Education and Training College)の1つで、年数回のテストで進級・卒業が決まる。

その1つが8月に実施される校内試験(Internal Examination)だ。校内試験なので問題は講師が作る。担当科目の問題は僕が作った。過去問を参考にして作ったのだが、その過去問の内容が今ひとつ納得できない。でも、校内試験は10月下旬から始まる国家試験 (National Certificate)の模試的な意味合いもあるので、それに準拠した内容にした。

2週間の校内試験が終わると、本格的に国家試験モードに入る。成績(進級・卒業)の大半はこの国家試験で決まる。それまで2ヶ月あるのだが、学生はほとんど学校に来なくなる。自宅で受験勉強をするそうだ。日本なら試験範囲を終わらせるために、大急ぎで授業を進めて、その後は組織的に受験対策授業をするだろうだが、こちらではそんなことはしない。一部の熱心な講師が個人的に対策授業をする程度だ。僕も、一応は去年の国家試験の問題を手に入れたので、その問題解説の特別授業を実施する予定だ。

D8806B7E 1862 4316 87DF E5E1D1F2F60D

2016年8月8日月曜日

バオバブの巨木

バオバブはリンポポ州に多く生息する木で、写真のような特徴的な姿をしています。大きなものは高さ30メートル以上、幅は10メートル以上になり、樹齢は数千年に及ぶものもあるそうです。家から車で30分程のところにGiant Baobabと名付けられた大きなバオバブの木があるのですが、今日はそれを見に行ってきました。

国道71号線から未舗装道に入って10分程で到着しました。管理人がいて10ランド(約70円)の料金を払いました。Giantと言うだけあって写真のように巨大な木です。

DSCN0698

 

中は人が何人も入れる大きな空洞になっています。バオバブはこのように空洞になっているものが多いそうです。

DSCN0699

 

バオバブはリンポポ州に多く生息するため、州の木にもなっています。自動車のナンバープレートにはそのイラスト(左)が書かれています。

KFZ SA Limpopo

このバオバブも大きいですが、隣町のグレーターザニーンには世界最大のバオバブがあって、これよりずっと大きいそうです。時間があれば(気が向けば)見に行きたいと思っています。

2016年8月5日金曜日

南アフリカのHIV/AIDS

学校では定期的に学生対象にHIV/AIDSの無料の検査、カウンセリングとコンドームの配布が行われています。写真は学校の一角に設けられた特設テントです。

HIV/AIDSは南アフリカでは深刻な社会問題です。全国民の約12%が感染者と見積もられています。女性の感染率が特に高く、妊婦の30%が陽性です。陽性の妊婦の母子感染率も30%なので、これはモパニカレッジの学生の陽性率9%と一致します。つまり、学生のほとんどは母子感染だと考えられます。何の罪もない子どもたちの9%が生まれながらにHIV/AIDSに感染しているのです。幸い、徹底的な啓蒙教育や教予防活動によって若年層の感染率は低下の傾向にあるそうです。

E4BFA6E6 7B24 45B2 9C95 95E51978EEF1

2016年8月4日木曜日

今日の散歩

今日は少し遠出して、2キロ程離れたところにある高校まで行ってきた。
 
この街の典型的な道路。やたらと広いが、未舗装なので、車が通ると土ボコリが舞い上がる。両側には質素な家が並んでいる。
524E0C95 B59E 459B BF6D 8186A10CED56
 
これがまた典型的な家。質素だが、敷地は広く、大きな庭木がある。ほとんどはレンガ造りだ。治安の悪い地域なので、金網製の塀は必須らしい。
唯一の娯楽であるテレビの衛星放送用のアンテナが付いている家が多い。
36B3CB92 034A 42DA BD5C 59BDCB736F31
 
小学校があった。歌を歌っている声が聞こえる。音楽の授業だろうか。校庭では子供が体育の授業をしていた。
890F5569 0F4F 4937 ACBA B64D778B183F
 
目的の高校へ到着。校門でおばさんがスナック菓子等を売っている。まだ午前中なので授業をしているはずなのに、周辺には高校生らしい子供がうろついている。
D67CC252 B897 446D 95D7 D1803ED0710D
 
 
帰りに顔見知りの女子学生に会った。「このあたりはあまり(治安が)良くないので気をつけて」と言われた。昼間だから大丈夫だとは思うが、万が一を考えて、貴重品は持ち歩かない。携帯電話とオフィスの鍵以外は現金を10ランド(約70円)を裸でポケットに入れてある。もし強盗に脅されたら渡すためだ。それだけあれば危害を加えられる可能性をかなり少なくできる。この国ではそのくらいの気遣いは必要だ。

「選挙の日」はLiraのアルバムを大人買い

今日、南アフリカは統一地方選挙の投票日だった。Election Dayという臨時の祝日になり、当然学校は休み。僕はもちろん選挙権はないので、棚ボタの休みだ。

とは言っても店は普通に開いている。スーパーに買い物に行って、ついでに町で唯一のCDショップでお気に入りの南アの歌手Liraのアルバムを二枚大人買い(という程のことはないが)。以前 Lira の別のアルバムをiTunes Storeで買ったことがあるのだが、僕のアカウントは日本で作ったせいか南アの曲を買うとすごく高かった。日本価格?為替レートの影響もあるが、CDを買えばずっと安い。

とにかく今日の午後はずっと Lira の曲を聴いていました。

LiraAlbums

 

学校のような公的な建物が投票所になるのは日本と同じです。

FD094489 0642 4174 AA29 3F6FC28F5FA4

2016年8月3日水曜日

今日はネットワーク構築実習

教えている科目「Data Communication and Networking」は基本は座学です。でも、たまに実習があります。今日は小さなLANを作る実習をしました。

3台のパソコン、1つのスイッチ、プリンタとケーブルを用意しました。それを使ってパソコンを接続し、プリンタと共有フォルダーを作ります。最初に全員に実習の内容と目的を説明しました。その後4人毎のグループに分けて、ネットワークケーブルを接続し、フォルダやプリンタの共有方法を説明します。

小さなネットワークですが、学生にとっては初めて作るネットワークです。非常に熱心に説明を聞き、また真剣に作業に取り組んでいました。

今日は2クラスの内1クラスが終了しましたが、一日中喋りっぱなしだったので、疲れました。明後日に別のクラスで同じことをします。

D345ADEB 9941 47C8 83DF 9435681E726C

38861E6A 1F3E 4A92 B665 D59E02E841F0

2016年8月1日月曜日

南アフリカの雑誌

南アフリカ人はあまり、と言うよりほとんど本を読まないようだ。学生にしろ講師にしろ、教科書以外の本を読んでいるのを見たことがない。住んでいる町は人口は約15万人だから、小さな町だが、僻地という事はない。日本ならまずまずの大きさの書店が何軒かあるだろう。しかし、ここには書店が1軒もない。ショッピングモールの中にある文房具店に小さな書籍コーナーがあるだけだ。それでも、雑誌の類は多少は読むようだ。その文房具店だけでなく、スーパーへ行くと雑誌のコーナーがあって、書架に雑誌が置いてある。フィットネス関係が多い。南アフリカには立派な体格、と言うよりはっきり言って肥満の人が多いからだろうか。

写真は何となく2ヶ月続けて買ったRUNNER'Sという月刊誌。読むというより時折ペラペラとめくり、写真を眺めてモチベーションを維持するために買っている。

 

F9ED834B FF79 41C3 B12A E87ECFEC9548