2008年7月21日月曜日

IT技術者にとっての資産運用

資産運用についてはあまり知識はないが、銀行に金を預けるのが馬鹿げていることくらいはわかる。だから、当面必要な資金以外は投資信託で運用している。以下がその方針だ。

1.三大通貨に分散させる。
円、ドル、ユーロに分散して投資している。余裕資金を定期的にストックしておいて、円が高くなると適当なタイミングでドルかユーロに換えて買い増しをする。ドル、ユーロから円のレートは考えない。長期投資が前提だし、メジャーな通貨ならいざとなれば円にしなくてもそのまま使えるからだ。

2.分散型の投資信託が原則。
いずれの通貨でも世界各地の株式や債券に幅広く投資する分散型投資信託を買っている。ただし、ハイリスク・ハイリターン型、ローリスク・ローリターン型、その中間の3種類に分散させている。原則として特別な分野に特化した投資信託は買わない。唯一の例外が後述のUS-REIT だ。

3.リターンは欲張らない。
この方法で資産運用をするようになって10年になるが、平均すれば15%ほどの配当を得ている。上を見ればキリがないが、定期預金の2倍以上あれば良しとすることにしている。

4.短期的な値動きは気にしない。
リターンは円よりドルやユーロが多い。25%の配当があったものもある。しかし、最近サブプライムローンの影響で、US-REIT-アメリカの不動産投資信託-が大幅な元本割れをしてしまった。これとて一時は20%以上の配当があったのだが・・・。もちろん投資に波があるのは当然なので気にしていない。

5.直接の株取引はしない。
自分で直接株を買ったほうがリターンはずっと多いかもしれない。興味はなくはないが、正しい株式投資術を身に付け、実践するには多くの時間が必要だ。時間は作ることはできるが、それはあくまで自分のITのスキルを向上させるために使うべきだ。手数料を払っても投資の専門家にまかせる(=投資信託を買う)のが常道だ。

2008年7月13日日曜日

生リーナス・トーバルスの思い出とオレゴン州

カリフォルニア州は産業が発達しているが、物価も税金も高い。都市部の治安も悪い。それを嫌ってカリフォルニアを脱出するハイテク企業も少なくない。温かい所が好きな会社は東隣のアリゾナ州へ脱出する。そのため、州都フェニックス周辺は砂漠(デザート)が多いことからシリコン・バレーならぬシリコン・デザートとも言われる。一方涼しい所が好きな会社は北隣のオレゴン州に移転する。森(フォレスト)が多いため、最大都市ポートランド(写真)周辺はシリコン・フォレストとも呼ばれ、ハイテク企業の集積地と化している。

ポートランド近郊のビーバートンという人口8万人ほどの小さな町は頓に有名だ。ここにはリナックス財団の本部があり、IBMがリナックス研究所を置くなど、世界のリナックスの総本山とも言える町なのだ。リナックスの開発者であるリーナス・トーバルスが住んでいることでも知られている。

彼は1997年にフィンランドからカリフォルニア州サンノゼに移住。同地のベンチャー企業トランス・メタ社で勤めた後2004年に同社を退職し、ビーバートンに移り住んだ。現在はリナックス財団に籍を置いてリナックスの研究に専念しているカリフォルニア脱出組みだ。

トーバルスを一度だけ見たことがある。確か1998年か99年だったと思う。当時急激に普及しつつあったリナックスに関する最初の大きなイベント、第1回リナックスワールド・カンファレンス・アンド・エキスポがサンノゼのコンベンションセンターで開催された。その時エキスポ(展示会場)をうろうろしていて見かけたあまり冴えない風貌の北欧人がトーバルスだったのだ。そのときは「あー、この人が・・」という程度の印象だったが、今なら緊張して立ち尽くすかもしれない。

トーバルスはその当時も普通のサラリーマンで、週末には愛車を運転してサンノゼのスーパーに出かけて、家族と一緒に買い物をしていたそうだ。現在もビーバートンで同じような生活をしているのだろう。どんな町なのか興味はある。一度行ってみたいものだ。

2008年7月12日土曜日

Citrixのカンファレンスに参加しました

メーカー丸抱えのカンファレンスはあまり好きではないが、Citrixは仕事に直接関係あるので参加することにしている。今年は7月9日に渋谷の東急ホテルであった。

キーノート(基調講演)のCitrix日本法人の社長の話はまったくつまらなかった。いかにも日経あたりの記事を適当に混ぜたような内容でくだらない。そう言えば去年もくだらなかった記憶だけがある。来年から止めればいいのに。

それに比べてフロリダの本社から来た上級副社長の話はなかなか興味深かった。話もポイントをついていて、Citrixが方針、目指すものが良く分かる。資料の使い方も実にうまい。今年は一人だが、昨年は社長以下幹部が大挙して来日し、それぞれ講演したがいずれも面白かった。

アメリカのビジネス界ではプレゼンは必須の技術で、うまくできないと、まともに出世もできない。鍛えられているのだ。時間もピッタリと終わる。事前に十分に時間をかけて、きちんと内容を吟味しているし、練習もしているのだろう。

ランチセッションのインテルの部長の話はほとんど自社の宣伝だったが幕の内弁当がうまかったので合格。

午後のCitrixの現場の部長の話は結構良かった。プレゼンはそう大したことはなかったが、内容の具体性がそれを十分にカバーしていた。一生懸命メモを取ったのはこのセッションだけだった。

それにしてもなぜ最後にQ&Aがないのだろうか。アメリカのカンファレンスでは最後に必ず質問を受け付ける。そして、内容の面白さと質問の多さは完全に比例する。公演の後もスピーカーの前に質問の行列ができることもある。質問する人だけでなくそれを聞いている人にとっても貴重なものだし、スピーカーにとっても大切なレスポンスなのだ。Citrixの担当者は質問は展示コーナーなどで個別にしてくださいと言っていたが、心得違いだ。

2008年7月3日木曜日

アメリカ大陸横断の旅

以前、アメリカンドライブの話をしたが、知人がアメリカ大陸の横断ドライブを行った。彼女(日本人)はウェブ・デザイナなのだが、ご主人(アメリカ人)の転勤で、日本→サンフランシスコ→カンサス・シティ→再度サンフランシスコと引越しを繰り返し、今度はニューヨーク州バッファロー市に移ったのだ。バッファロー市(Buffalo)は五大湖のひとつエリー湖の東端に位置する。都市圏人口は約100万人。ニューヨーク州ではニューヨーク市に次ぐ第2の都市だ。もちろん普通は飛行機で移動するのだが、こんな機会はめったにないと車で横断することにしたのだそうだ。

アメリカを横断する高速道路はいくつかあるが、80号線(Interstate 80、通称I-80)はカリフォルニア州サンフランシスコとニューヨーク州の隣、ニュージャージー州ティネックをび総延長は2900マイル(4600キロメートル)に及ぶ。これはワシントン州シアトルからマサチューセッツ州ボストンを結ぶ90号線に次いで長い。文字通り大動脈だ。カリフォルニア州内でもサンフランシスコから州都サクラメントを結んでいる。僕の住んでいた町もその途中にあったので、サンフランシスコに行く時はいつも通っていた懐かしい名前だ。

アパートから荷物と車1台を見送った後、もう1台の車に夫婦と猫2匹を乗せてサンフランシスコを出発。80号線をひたすら東へ向かう。1日6-8時間を夫婦で適時休憩を取りながら交代で運転する。夕方になれば通りかかった適当な町のモーテルで泊まる。

途中ネヴァダ州、ユタ州、ワイオミング州、ネブラスカ州、アイオワ州、イリノイ州、インディアナ州、オハイオ州、ペンシルバニア州を経由し、目的地ニューヨーク州バッファロー市の着いたのは5日後だったそうだ。

アメリカ在住20年近い彼女も「アメリカという国の広いこと広いこと。何んでこんなに広いのかしら。こんなに広いんだから日本に一つくらい州くれればいいのに・・」と思ったとか。

二人は今では郊外に家を買って快適な生活を送っている。ちなみに「引越しはもう十分。ずっとここで生活したい」そうだ。東北出身の彼女は「ここはカリフォルニアと違って冬にはちゃんと雪が降るの」のも気に入っている。

80号線-サンフランシスコからベイブリッジを渡ってすぐのバークレイ付近。このあたりは片道5車線もある。ただし、郊外などの大半は片道2車線。