2008年7月13日日曜日

生リーナス・トーバルスの思い出とオレゴン州

カリフォルニア州は産業が発達しているが、物価も税金も高い。都市部の治安も悪い。それを嫌ってカリフォルニアを脱出するハイテク企業も少なくない。温かい所が好きな会社は東隣のアリゾナ州へ脱出する。そのため、州都フェニックス周辺は砂漠(デザート)が多いことからシリコン・バレーならぬシリコン・デザートとも言われる。一方涼しい所が好きな会社は北隣のオレゴン州に移転する。森(フォレスト)が多いため、最大都市ポートランド(写真)周辺はシリコン・フォレストとも呼ばれ、ハイテク企業の集積地と化している。

ポートランド近郊のビーバートンという人口8万人ほどの小さな町は頓に有名だ。ここにはリナックス財団の本部があり、IBMがリナックス研究所を置くなど、世界のリナックスの総本山とも言える町なのだ。リナックスの開発者であるリーナス・トーバルスが住んでいることでも知られている。

彼は1997年にフィンランドからカリフォルニア州サンノゼに移住。同地のベンチャー企業トランス・メタ社で勤めた後2004年に同社を退職し、ビーバートンに移り住んだ。現在はリナックス財団に籍を置いてリナックスの研究に専念しているカリフォルニア脱出組みだ。

トーバルスを一度だけ見たことがある。確か1998年か99年だったと思う。当時急激に普及しつつあったリナックスに関する最初の大きなイベント、第1回リナックスワールド・カンファレンス・アンド・エキスポがサンノゼのコンベンションセンターで開催された。その時エキスポ(展示会場)をうろうろしていて見かけたあまり冴えない風貌の北欧人がトーバルスだったのだ。そのときは「あー、この人が・・」という程度の印象だったが、今なら緊張して立ち尽くすかもしれない。

トーバルスはその当時も普通のサラリーマンで、週末には愛車を運転してサンノゼのスーパーに出かけて、家族と一緒に買い物をしていたそうだ。現在もビーバートンで同じような生活をしているのだろう。どんな町なのか興味はある。一度行ってみたいものだ。

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