2007年7月16日月曜日

アメリカンドリームの本当の意味

アメリカには英才教育の制度がある。カリフォルニア州の場合はGATEと呼ばれていて、小学校の低学年の中から優秀な子供が各校数名程度が選抜され、その学区に特別に作られた英才教育のためのクラスに編入する。知能指数が130~150以上の子供の中から選ばれるようだ。
カリフォルニア州では成績が上位数パーセントの高校生は名門カリフォルニア大学への優先入学権が与えられるが、その多くはGATE出身者が占めていると思われる。日本ならさしずめGATEに選ばれるための塾ができそうだが、もちろんアメリカではそんなものはないし、選抜された子供達を羨望の目で見るような子供も親もいない。

アメリカ人の最大の美徳は「他人の才能に嫉妬しない」ことなのだ。そもそもGATE自体が「Gifted And Talent Education」つまり「与えられた才能のため教育」の略だ。この場合与えたのは親ではなく「神」だ。神が与えるものである以上、才能は人間的な感情である嫉妬の対象になり得ないのだ。

「アメリカンドリーム」とはビル・ゲイツのように起業して大金持ちになることではない。たとえ貧しい家庭に生まれても、他人の才能に嫉妬せずに自分に与えられた能力と環境の中で地道に努力さえすれば誰もが豊かな生活-広いバックヤードと暖炉の燃える暖かいリビングルームのある家、固い絆に結ばれた家族と一緒の生活-が築ける。「それがアメリカン・ドリームの本当の意味なんだよ」とアメリカ人の友達に聞いたことがある。彼らはそんなアメリカを信じているのだ。僕達日本人もかみ締めてみたい言葉だ。


アメリカ家庭の典型的なリビングルーム。暖炉は現在では象徴的・装飾的な意味合いが強い。


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