2007年11月20日火曜日

アメリカ人の通勤方法「K+R」

アメリカは日本に比べて鉄道網が発達している都市は少ない。僕が訪れたことのある都市でよく発達しているのはニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、アトランタくらいだろうか。こういった都市では近郊の住宅地に大きな駐車場を備えた駅がよくある。いわゆる「パーク・アンド・ライド」で、自宅から最寄の駅まで車で来て、そこから電車に乗り換えるのでそう呼ばれる。

一方、奥さんが自宅の近くの会社で働いていて、夫は都心へ通っているという夫婦も多い。そんな場合、奥さんが毎日夫を駅まで車で送って行く。そして駅の前で「行ってくるよ」と言って奥さんにキスをしてから電車に乗る。そのためこんな通勤方法を「パーク・アンド・ライド」にかけて「キス・アンド・ライド」という。もちろんキスは必須ではない。都心の交通渋滞の緩和になるし、駐車場を作る必要もないのでは行政にとって非常にありがたい。

以前アトランタへ行ったとき、自由時間があったのでダウンタウンから少し離れたところにあるキング牧師の記念館を訪れた。周辺は比較的所得の低い人が多く住む住宅地なのだが、近くにキングス・メモリアルという駅がある。その駅の看板が面白かったので写真を撮った。見ての通り本来はスラングの「キス・アンド・ライド=キス・ライド」が堂々と書いてあるのだ。この言葉を正式に採用?にしているのはアトランタ市交通局だけだとか。「K+R」と書いてある駅もあるそうだ。面白いと言うか粋だと思う。言葉だけでなく、駅の前には「キス・アンド・ライド」専用の乗降口があって多くの車が同時に一旦停止できるようになっている。もちろん「パーク・アンド・ライド」用の大きな駐車場もある。



0 件のコメント: