2014年10月13日月曜日

二重国籍について

ノーベル賞を受賞したカリフォルニア大学の中村修二教授の国籍が注目されている。

日本では二重国籍は認められていないので、日本人(日本国籍者)がアメリカ国籍を取ると、日本国籍を失うとされてきた。しかし、方手続き上は「国籍離脱届け」を出すことにより、初めて日本国籍を失う。実際アメリカ国籍を取得しても「国籍離脱届け」を出す人はほとんどいないので、事実上の二重国籍になる。

逆の場合もしかりだ。アメリカ人(アメリカ市民権所有者)が日本国籍を取得したとしても、そもそもアメリカの法制度上国籍を任意に離脱するという仕組みはない。アメリカは二重国籍を認めているので、アメリカの法律では何の問題もない。日本の法務局で「アメリカ国籍を離脱する」と宣誓するだけでよい。アメリカ政府発行の「国籍離脱証明書」を提出するわけではない(そもそもそんな書類はない)。日本国政府がアメリカ政府に当該人物の国籍の有無を照会するわけでもない。確認しないので、その人物は二重国籍になる。法務局もそれを知っていて、宣誓だけで日本国籍を認めている。

Passport2

実際に知り合いのブラジル人は、日系人だったので、それを証明するだけで簡単に日本国籍を取れたそうだ。もちろん法務局でブラジル国籍を放棄するという形式的な宣誓はしたそうだが。おかげで日本に入国するときは日本のパスポート、ブラジルに入国するブラジルのパスポートを使うので審査時間が非常に短くて便利だと言っていた。

そもそも、中村修二教授に限らず、このグローバルな時代に二重国籍を持っている日本人は日本にとって貴重な存在ではないか。二重国籍を認めないなどという偏狭な考えを早く捨てるべきだと思う。

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