2008年11月8日土曜日

近頃のシンクライアントな日々

毎朝出勤すると、まず机の引き出しからノートパソコンを取り出す。USBメモリを差込み、電源を入れるとLinuxでブートされる。シンプルな画面の左上の小さなアイコンをクリックすると自動的にデータセンター内のサーバーに接続され、見慣れたWindowsの画面が表示される。あとはNotesとインスタントメッセージを起動していつものように仕事を始める。

現在、社内でシンクライアントのパイロットシステムが稼動しているのだ。公募した数百人のテスターがシンクライアントを使って日常の業務をこなしている。僕も開発プロジェクトの一員だったのでもちろん常時利用している。

シンクライアントのソリューションはいくつかあるが、コストや実績の面で共有サーバー方式(サーバー・ベースド・コンピューティング)を採用した。ハイスペックのWindowsサーバーを多人数で共有する方式だ。これのサーバーをさらに数十台用意し、ロードバランシングで運用している。

シンクライアント端末自体はパイロット運用ということもあり、前述のように普通のWindowsXP搭載のノートパソコンをLinuxOSを搭載したUSBメモリでブートする方式を取っている。本番ではハードディスクを外してCFメモリのLinuxでブートするようにカスタマイズしたノートパソコンにする予定だ。

共有サーバー方式を採用したので、利用者は勝手にソフトウェアをダウンロードしたりすることはできない。そのあたりは一部のヘビーユーザーに不満もあるようだ。しかし、業務に必要なアプリケーション(少なくとも社内で利用を公式に認められている)は網羅しているし、どうしても必要なものは今後ともサポートしていく予定だ。

それ以上にユーザーがノートパソコンの管理に必要な作業、セキュリティパッチの適用やアプリケーションのインストールやセッティング、データのバックアップなどは全てサーバー側で行うので、大いに時間の節約になるはずだ。もちろんノートパソコンの紛失や不注意によるデータの漏洩の可能性が大幅に減少するので、そのストレスから開放されるは大きい。

無線LANはもちろん、携帯電話のデータカードにも対応していて、営業を中心としたモバイルユーザーにも好評だ。一番気になるレスポンスも概ね良好で、通常のノートパソコンと比べてもほとんど違和感がないとのことで安心している。

シンクライアントのモニタから見えるデスクトップは遠く離れたデータセンターにあるサーバーのものであることを使ってる本人も意識することはほとんどない。

0 件のコメント: