2008年12月21日日曜日

アメリカ大不況はマスコミが騒ぎすぎ?

サブプライムローン問題に端を発したアメリカ大不況。ウォール街の相次ぐ倒産、ビッグスリーの苦境は毎日のように報道されている。日本でも非正規労働者の相次ぐ契約打ち切り、正社員のリストラなど大騒ぎだ。そして極端な円高。今年の年末は一転して暗い雰囲気で迎えることになった。

実際アメリカの普通の市民生活はどうなんだろうか?アメリカ人の友人に聞いてみた。彼はニューヨーク州、といってもニューヨーク市ではない、に住む典型的な中流のアメリカ市民だ。以前シリコンバレーに住んでいたことがあって、僕とは旧知の仲だ。

彼の率直な感想は「マスコミの騒ぎすぎ」だ。不況、不況と言ってもホームレスが増えている訳ではないし、ましてや餓死者が出ているわけではない。ウォール街は大変そうだが、あそこはそもそもハイリスク・ハイリターンの町で、リストラや解雇は日常茶飯事。シリコンバレーも似たようなもので労働力が極端に流動化している。経済状況とは関わりなく日常的に労働者は水のように高いところから低いところへ流れていく。ウォール街やシリコンバレーはアメリカの一部だが、典型的な社会ではない。普通のアメリカ市民から見ても別世界であり、特殊な地域なのだ。そこからのみ広いアメリカの全てを類推してはいけない。

しかし、彼は現在のアメリカの一般的な雰囲気はうんざり感だと言う。ブッシュにうんざり、イラク戦争にうんざり、レイオフにうんざり。そのうんざり感がさらに報道を加速し、その報道にもうんざり。

今回の不況はメンタルな要素が大きくて、あと半年から一年くらい経てばアメリカ人もそのうんざり感から脱出できるんじゃないかとか。そうすれば経済も徐々に上向くらしい。

彼はもちろん経済の専門家ではない。少なくとも現在の典型的なアメリカ人の考えはそんなものだと思う。

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