2014年11月14日金曜日

言葉(英語でもどんな言語でも)は人間にどう聴こえるか/見えるかについての考察


YouTubeの「英語(自動字幕起こし)」機能は非常によく出来た機能だ。リスニングが苦手な人間にはありがたい。しかし、機械(ソフトウェア)で自動的に生成しているためよく間違いがある。初っ端に「Was up」と表示されたので何のことかと思ったが「What's up」のことだった。この手の間違いはかなり多くて少し戸惑うことがある。でもこれは機械がアホだと短絡的に考えると機械(というより作った人)がかわいそうだ。実際には人間はそれに近く、少なくとも間違われてしかたがないように発音しているのだ。


10年位前にネットに拡散して非常に有名になった文章がある。


Aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it deosn’t mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae. The rset can be a toatl mses and you can sitll raed it wouthit porbelm. Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe.


簡単な英語なので意味はお分かりだと思うが、まさしくこの文章の通りなのだ。この文章の単語のスペル自体が無茶苦茶で、単語の最初と最後の文字だけが正しい。それでも意味はちゃんと理解できる。

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もちろんこの原理が適用されるのは文字だけではなく、話しことばでも同じだ。人間の話し方などかなりいい加減で、単語や音節の一つ一つを聞き取ろうとすると、この種の間違いがいっぱいあって理解できないことが多い。それでも単語のコアとなる部分(最初と最後など)がきちんと発音されていたり、単語が欠損していても、前後関係がきちんとしてれば、人間の耳(脳)は無意識の内に補正して、その欠損がないかのように普通に理解できるのだ。YuTube英語(自動字幕起こし)」には残念ながらその自動補正機能がないのだろう。


外国語学習者の間では言い古されたノウハウだが「リスニングでもリーディングでも個々の単語を理解しようとしないで、全体をかたまりとして理解すべし」とは、まさにこの事だろう。もちろん「言うは易く行うは難し」だが。


ちなみに、上記の文章を正しいスペルで書くと次の通りだ。

According to a researcher at Cambridge University, it doesn't matter in what order the letters in a word are, the only important thing is that the first and last letter be at the right place. The rest can be a total mess and you can still read it without problem. This is because the human mind does not read every letter by itself but the word as a whole.


僕も面白かったし、感心したので、PCのどこかに保存したという記憶があったのでハードディスクの中身を全部スキャンしてようやく探しだした。まあ、ネット上にもまだあるだろうから、ググれば良い話なのだが。

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