2008年3月29日土曜日

「Hello」と「Moshi Moshi」の関係

シリコンバレーで働いていたとき、家内も同じ会社で経理の手伝いをしていた。夕方になると同じビルにある銀行へ現金を預けに行くのが日課で、当然銀行員と「Hello」とか「Hi」とか挨拶を交わす。そんなある日、家内がいつものように銀行へ行くと、顔見知りの銀行員がにっこり笑いながら「Moshi Moshi」と言った。家内は何の事かわからず、怪訝な顔をすると、銀行員は「Hello」と言い直した。家内は銀行からの帰りに「Moshi Moshi」ってどういう意味だろうと真剣に悩んだそうだ。

実は、その銀行員は家内が日本人だと知っていて、日本語で「Hello」と言ったつもりだったのだ。なぜそれが「Moshi Moshi」なのか。アメリカ人は電話に出たとき「Hello」と言う。つまり「こんにちは」だ。一方日本人は電話に出たとき「もしもし」という。これをアメリカ人が目撃すれば「ああ、日本語では Hello は Moshi Moshi と言うんだ」と考えるのは当然だ。そしてその銀行員は毎日来る日本人を喜ばそうと日本語で「こんにちは」と言おうとしたのだ。ようやくそれに気付いた家内は、翌日その銀行員に説明したそうだが、顔を赤らめて恥ずかしがっていたとか。

これはアメリカ人の例だが、日本人の英語についての勘違いもたくさんある。僕もこの銀行員以上に恥ずかしい失敗は数限りなくしている。原因の多くは日本語をそのまま英語に当てはめようととした事だ。英語でしゃべったり、書いたりするときは最初から英語で考えるのが鉄則だ。そうすれば稚拙な英語にはなるが、間違いの少ない、通じやすい英語になる。



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