2009年4月8日水曜日

改変された掲示板の投稿

僕はインターネット上の掲示板とかメーリングリスト(もはや死語だが)にほとんど興味がない。だから投稿することはめったにない。しかし、先日ある掲示板に久しぶりに投稿をした。数日後に再度覗いてみると、投稿の一部が削除されていて、管理人と称する人が「著作権の侵害を助長する可能性があるので一部を削除しました」とある。

僕とて文章を書いて幾ばくかのお金を貰っている身だし、弟が弁理士なので平均的な人よりは著作権については関心があるし、多分知識も少しはあるつもりだ。管理人と称する人の言い分は納得できない。しかし、相手は掲示板の投稿を自由に削除したり改変したりするシステム上の権限を持っている。どうこう文句を言ってもしかたがない。

ただ僕が憤慨したのは著作権うんぬんなどと正当であるかのような主張しながら投稿の「一部」を削除したことだ。著作権には「同一性の保持」という権利が認められていて、著作権者の意に反してその著作物を勝手に改変することはできない。歌手の森進一が持ち歌の「おふくろさん」の歌詞をアレンジして歌ったとして、作詞家が歌うのを禁止したのは(できたのは)この「同一性の保持」を侵害したためだ。

投稿が著作物である以上、一部を了解なく削除することはその意味で著作権を侵害していると考えるのが自然だ。もし、その掲示板のどこかに管理人が投稿を自由に改変できると明示してあるとしても、著作権法にはそのような規定は無効であるという条文がある。削除するなら一部ではなく全部をするべきだろう。

いずれにしても、その掲示板を二度と見ることもないし、もちろん投稿することもないだろうが。

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