2015年11月15日日曜日

ユタ州での思い出(熱中症)

アフリカだから当たり前かもしれないが、暑い。

こう暑いと時々思い出すのが8年前のユタ州だ。アフリカも暑いがアメリカのユタ州の夏も暑い。華氏110度(摂氏43度)超えも普通だ。

当時の僕は普段はトレーニング代わりに奥多摩あたりをうろうろし、年一回アメリカにハイキングに行くのを習慣としていた。その年はユタ州南部にあるザイオン国立公園と周辺のいくつかの国立公園を訪れる計画だった。ソルトレークシティに到着してザイオン国立公園近くのモーテルで一泊し、早朝からザイオン山に向かった。この日のソルトレークシティの気温は予報では華氏115度(摂氏46度)。もちろん山間部ではそんなに上がらないが、熱線は平地以上に強烈だった。それでも快適にスタスタと登り、美しい景色を満喫し、下山したのだが、ここで致命的なミスを犯した。水筒の水を途中で切らしてしまったのだ。いつもは残りの水の量を常に確認しながら飲むのだが、あまりの暑さに思考力が低下したのかもしれない。

それでも何とか公園内の休息所に到着した。すぐに水を飲もうとしたが、水道のタップで子どもたちが水遊びをしていた。。ザイオン国立公園の中心部は狭い渓谷なので、自家用車での移動は禁止されている。公園の入り口に大きな駐車場があり、公園内の移動は巡回するシャトルバスを使う。子どもたちに頼んで水を飲ませてもらおうと思ったが、ちょうどシャトルバスが来たので飲まずに乗ってしまった。これが第二のミス。疲れた体でシャトルバスに乗っていてもうすぐ駐車場というところで、急に気分が悪くなり「おかしいな」と思った次の瞬間、長椅子に寝かされて冷たいタオルを額にあてている自分に気付いた。すぐに別の女性が冷水の入った水筒を口にあてがって飲ませてくれた。遠くからは救急車のサイレンが近づいていた。

時間にして10分か15分くらいだろうか。完全に記憶を失っていたのだ。公園のレンジャーが「英語はわかるか?」と聞かれ「大丈夫だ」と答えるといくつか質問をされた。「昨日長時間のフライトで来たばかりで疲れていた上に、途中で水を切らして・・」と説明をしているとストレッチャーを持った救急隊員が来た。レンジャーが「病院へ行くか?」と聞く。もちろんこんなところで入院などしていられない。「いや、もう大丈夫だ」と救急隊員には引き取ってもらった。

後にも先にも熱中症で、しかも意識を失ったのはこの時だけだ。それからはちょっとした登山・ハイキングでも必要十分な(重い!)水を持ち歩くようになったのはもちろんだ。

 

写真はその時のザイオン山のトレイルの途中。

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