2009年2月28日土曜日

ここまで来たグローバル・アウトソーシング

今度新しいプロジェクトに参加することになった。スイスに本社がある多国籍企業なのだが、全世界数十カ国に拠点があり、それぞれの地域毎にデータセンターがある。今まで某社が運営・構築を一括して受託していたのだが、それを取ったわけだ。もちろん、今後システムの大幅な拡張や変更が発生する。

その会社では全世界に点在する数千台のサーバーを全てインドのコマンドセンターで24時間体制で集中監視している。もし障害が発生すれば即時検知される仕組みだ。障害内容はインドから南米アルゼンチンのテクニカルセンターにただちに通知され、障害が起こったサーバーにリモートアクセスし対応・復旧する。テクニカルセンターも24時間稼動で、しかも各地域の時間に合わせてエンジニアが出勤している。つまり極東地区担当のエンジニアは、ちょうど12時間の時差があるため、夜の9時に出勤して翌朝の5時までの勤務となる。

では日本では何をするかと言えば、グローバル管理外のローカライズされたシステム(例えば日本語システム)がいくつかあり、それは日本で構築・管理する必要があるという訳だ。

とは言え、グローバルの指示、連絡、報告などは全て英語だ。ここ数日ひたすら英語の資料を読む毎日だ。

日本ではグローバルアウトソーシングといえば中国だが、ここには一切名前は出てこない。もちろんその会社は中国にも現地法人を持っているので、ローカルの中国語システムはあるだろうが。

スイスの国語は英語ではないが、少なくともビジネスでは英語を使っている。日本も日本語を話す人材が得やすいという理由で中国ばかりに頼っていては、グローバルアウトソーシングの本流から取り残されてしまうだろう。現に中国でも一流のエンジニアは英語を話し、日本語を話すエンジニアは1.5流以下が多く、人数も英語に比べるとずっと少ないそうだ。

知り合いの中国人のエンジニアに聞いたのだが、彼の会社では中国人しかいないのに毎週一回英語で会議をしているそうだ。もちろん英語のスキルアップが、外国からのプロジェクトの受注、自分自身の収入アップに直結するからに他ならない。



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